SDGs de はぐくむコラム

失敗しない子どもたち

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職場の研修で

夏休みに職場で研修がありました。「子どもたちにどんな力を付けさせたいか」を話し合いま
した。その中で、忍耐力やコミュニケーション力、考える力など様々出てきました。模造紙に書
き表して見ると不思議と共通するものが見えてきました。それは、子どもたちは失敗する経験が
少ないのではないかということでした。

子どもたちを見ていると、分からないことに出会った時「できなかった。」「分からなかっ
た。」で終わってしまうことがあります。大人としては、「もっと粘り強く、あきらめないで続け
たらいいのに。」と感じてしまう場面です。どうやったら「もっと粘り強く、あきらめないで続
けられる子」になるのか。

その反面学校では、限られた時間の中で何教科も学習があります。また、時代の変化と共に学
習内容も多様化し、どんどん増える一方です。それに加え働き方改革の流れもあり、より効率化
を求めるようになると最短距離で学べられるようにするしかないという意識が強くなっている気
がします。

子育ての中で

子育てをしていて心がけていることがあります。それは「子どもに成功体験を積ませ、自己肯定
感を高めさせたい。」ということです。新しく挑戦することはハードルを下げてあげ、超え易くし
てあげる。そうしてきましたが、それが逆に自分で超えるべきハードルを見つけることができなく
させているのではないかと思ってきました。

失敗して、落ち込んで、悩んで、そこから立ち上がる体験をしなければ、強くなれません。「粘
り強く、すぐに諦めないで挑戦し続けて欲しい」と願っているのに、私が待てないという理由
で、子どもの成長の機会を奪っているのではないかと考えてしまいました。

授業でも

小学校は45分授業です。おおよその授業展開は、導入、展開、まとめで構成されています。児
童が意欲的に授業に取り組めるように導入を工夫します。そして、この時間で学んでほしいことの
活動をします。限られた時間の中で進めていかないと教科書の内容を網羅できません。それが学
年が上がるほど学習内容が難しくなっていきます。そうなるとより計画的かつ効率的に進めていく
のが望ましいなと私は考えていました。丁寧に1つずつ積み上げていき、失敗しないことが教室
のみんなが分かる授業だと勘違いしていました。

教室にいるどの子も置いていかず、確実に学びを積み上げる方法。それはハードルを下げ、確実に
一歩ずつ登らせる。それは大きな失敗をさせない授業を無意識にしていたように思えました。

親として教員として

親として教員としてどんな子に育って欲しいかと考えと「困難に直面した時に、それを乗り越
えられる人になって欲しい。」「困難を乗り越える力(レジリエンス)を高めて欲しい。」と。

そのためには「子どもの失敗を見守り、待つことが大切だ。」と気付きました。子どもたちには
いろいろな体験をさせていきながら、成功体験を積み上げ、時には失敗し、それを乗り越えられ
るように辛抱強く見守っていきたいです。

体験の機会

知り合いの方と体験イベントを企画・運営しています。夏は釣り、これからキャンプも行いま
す。自分が経験ないことを子どもにやらせるのは、なかなかハードルが高いです。それなので他の
人のサポートがあれば初めてでも挑戦し易いと考えたからです。子どもがきっかけで大人の自分
もたくさん体験させてもらっています。

 

  

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
11月15日は、初登場!ファザーリングジャパンにいがた 講師兼ファシリテーターの茨木光一さんです。お楽しみに!

http://立石勇生 SUNNY SIDE | BSNラジオ | 2025/11/15/土 10:00-11:00 https://radiko.jp/share/?sid=BSN&t=20251115100000

この記事のWRITER

茨木 光一(ファザーリングジャパンにいがた 講師兼ファシリテーター)

茨木 光一(ファザーリングジャパンにいがた 講師兼ファシリテーター)

出版、飲食店勤務後、東京都で小学校教員として15年勤務。2024年から新潟で小学校教員として勤務。 趣味、サーフィン。本業の傍ら、地域で子どもの居場所づくりの提供など活動中。
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