
5年生のニックは、次々におもしろい質問を考えて、授業をストップさせるのが得意。みんなから “先生だまらせ屋” “時間つぶしのプロ” と呼ばれています。でも、国語のグレンジャー先生は、強敵です。するどい目にはパワーがみなぎり、半径15メートル以内のことは何でもお見通し。辞書を崇拝する先生の授業では、厳しい言葉のテストがくりかえされ、決まり文句は 「辞書を引きなさい。辞書は引くためにあるんです。」
先生は、「たくさんの人たちが、一つのものを同じ言葉で呼ぶことで名前となり、辞書にのる」と教えてくれます。そこでニックは、ひらめいた! 「ペンのことを、“フリンドル”って言おう!」 新しい言葉の発明です。
ニックは友だちと協力して、授業中でも町のお店でも“フリンドル”とくりかえし、学校中の言葉になっていきます。グレンジャー先生は“禁止令”を出しますが、“フリンドル”は町中に広まり、新聞やテレビの取材までやってきて大騒動に…。
ユーモアたっぷりのお話がテンポよく進み、この“言葉の対決”がどうなるのか目が離せなくなります。ラストシーンは10年後。ニックのひらめきと行動力、グレンジャー先生の本当のすごさが、心に残ります。
今年、続編の 『秘密のフリンドル・ファイル』(講談社) が刊行されました。

田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)
