
日本語学の知識を、中学生にも分かるように、具体的な用例とともに示した本です。4章立てになっており、1章は日本語の「音」、2章は日本語の「文字」、3章は「数字」に関する日本語の語彙を扱っています。4章は日本語の「遊び心」ということで、なぞなぞやパロディーなどが出てきます。
「ゆかいな日本語」の「ゆかいな」にいては、著者自身が「はじめに」のところで説明しています。コミュニケーションの道具としての言葉(伝達言語)だけでなく、詩のような言葉(詩的言語)を扱いたいとのことでした。私も大賛成で、コミュニケーションの道具としての日本語だけでなく、道具ではない日本語それ自体の面白さも愛したいと思っています。そして、国語科教育学が専門の私としては、著者に反対して、そういう日本語それ自体の面白さこそ、「学校で教えたい」と思っています。
強いて言うなら、日本語に関する歴史的な資料の写真の間に挟まれている丸山誠司氏のイラストが、いかにも学校で教えるタイプの本=典型的には教科書にはないタイプの絵で、この本を盛り上げていると思いました。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)
