大人の本棚・こどもの本棚

星の林に月の船 声で楽しむ和歌・俳句

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詩人の大岡信氏が、声に出して詠んでほしい194の詩歌を、年代順に編んだアンソロジーです。

『万葉集』の和歌から、芭蕉や子規の俳句、昭和の寺山修司まで。初めてよむ作品もたくさんありますが、選者のわかりやすい解説が添えられ鑑賞を深めてくれます。

タイトルは、「天(あめ)の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」(柿本人麻呂)によるもの。千数百年前の星空をゆく月と静かな時の流れが、目の前に広がる見事な和歌です。

大岡氏は、「詩歌を楽しむということは、ことばの世界への探検旅行であると思う」と述べています。好きな作品を口ずさんで、五七調の響きと日本語の豊かさを味わいながら、四季の景色や作者の心に思いを巡らせてはいかがでしょうか。

田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に、本や昔話を楽しんで、27年目になりました。公共図書館や幼稚園でも、子どもと本をつなぐ活動しています。)

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