先日、『はじめての茶道 おちゃをどうぞ』という絵本を見かけました。今までたくさんの絵本を読んできましたが、茶道に特化した絵本を読んだ記憶がなく、すぐに手にして読み始めました。
『はじめての茶道 おちゃをどうぞ』
石崎 綾子/文 横須賀 香/絵 小学館
物語に登場する子どもたちは園で茶道の体験をしているようで、その子たちが初めて茶道の先生の茶室へ出かけていき、お稽古する様子が描かれた作品でした。
「にじりぐち」と呼ばれる小さな出入り口から入るように言われ、茶室の中を見てみます。そこはいつも暮らしている世界とは違う空間であり、和の文化が詰まった場所のようでした。
子どもたちの異世界へのワクワク感が挿絵からうかがえる印象的な場面です。その後は床の間に飾られたものなどを見て季節を感じ、お稽古が始まります。
読んでいるだけなのに茶せんで抹茶をたてる時の音が本当に聞こえてくるようで、背筋がピンと伸びる感じがしました。そこには千利休から伝わる日本文化があり、大人も子どもも静寂な世界で癒されるという感覚があるようにも思えました。
茶道の絵本を紹介したので・・・和菓子の絵本も紹介します!
『和菓子のほん』
中山 圭子/文 阿部 真由美/絵 福音館書店
こちらの絵本は季節の和菓子から始まり、原材料・作り方や器に至るまで、一冊で和菓子の全てが分かる本です。春は桜にちなんだもの、夏は目から涼を感じるものと、色鮮やかなイラストで描かれています。
日常の食生活にも「和食文化」が存在します。
『はじめての和食えほん 夏のごちそうつくろう』
柳原 尚之/著 近藤 圭恵/絵 文溪堂
季節の食材を使い和食メニューを紹介する料理レシピ絵本です。和食を作る時の基礎情報や作法、そしてお箸の持ち方も学べます。各季節ごとに出版されている全4巻のシリーズです。
SDGsのゴール11(住み続けられるまちづくりを)には、「文化遺産の保護」という目標が含まれています。伝統や文化を知って守り、次の世代へ受け継いでいくことの大事さを絵本からみんなで考えてみてほしいです。
* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。5月31日は、絵本でSDGs推進協会代表の朝日仁美さんです。お楽しみに!