はぐくむコラム

神様は見ている

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グーテン ターク、お元気ですか!

まだまだ我慢の毎日が続きますね。そんなとき、思い出を家族と語り合ってはいかがでしょうか。今回もドイツ・ハンブルグ日本人学校長時代の出来事からいろいろ考えてみたいと思います。

”現地”で暮らすと”旅行”では得られない、たくさんの体験できます。ある休日、ハンブルグ駅まで行きました。列車で1時間弱のリューベックまで出かけてみようと思ったからです。窓口で切符を買って、「さあ出発!」と進むと改札口がありません…。電光掲示板を見たら、2番ホームとあるのでとりあえず向かうと、電車が停まっていたので乗り込みでした。何か後ろめたい感じがしました。そう、ドイツでは改札がないのです。これでは無賃乗車をする人がいるのでは?と心配しました。大家さんに聞いたら、「そんな悪いことをする人はいない。神様がいつも私たちのすることを見ていらっしゃる」と言うのです。キリスト教の影響もあるのでしょうが、嘘をついたり盗んだりする行為は厳重に戒められているのです。車を駐車するときもそうです。日本同様、有料駐車場が多いのですが、郊外では道路のわきに駐車スペースがあって、無料で2時間程の駐車はOKなのです。その時に、写真のような駐車カードに、停めた時間を短針・長針合わせて置きます。

駐車カード

”10時”に停めたのに”11時”に合わせて置くドライバーもいるのでは?と思いましたが、「そんなセコい人はいない!」と、大家さんは強い口調で言いました。

そういえば私たちも小さい頃、祖父母が「お天道様がいつも見ているからね」と言われたことを思い出しました。悪いことして、なにか気になって空を見て、やめたものです。

なみにドイツでは自転車を電車に乗せることもできます。

自転車と電車で移動

それどころか、車も乗せることもできるのです。

車を乗せる貨車

スイスは遠いからドライブはきついなあ…。そんな人は、車は積んで、スイスに着いたら自分の車でドライブ。日本もこんなことができたら便利でしょうね。ほかにも、スウェーデンはバルト海の北にありますが、電車がそのままフェリーの中に入ります、中に線路があるのです。カーフェリーならぬトレインフェリーです。船内で食事をして、風に吹かれ、楽しさ二倍です。ドイツの食堂車も快適、ともかく鉄道の旅は楽しいです。

 

今回紹介する本は、「おこだでませんように」

くすのき しげの  作  石井 聖岳 絵  (小学館)

表紙の男の子はすごい顔をしていますね。どうしたのでしよう。

主人公の「ぼく」は、入学して1年生になったばかりで、母と妹の三人暮らしです。仕事で帰りが遅い母に代わって、妹の面倒を見るのですが、なかなかうまくいきません。いうことを聞かないもので、つい大きな声を出すと、すぐに泣いてしまいます。そして、母に怒られます。こういうことって、よくありますよね。学校でも、サッカーの仲間に入れてくれへんと、友だちにパンチやキックをされます。一見乱暴な男の子に見えますが、「ぼくは、どないしたら、おこられへんのやろ。ぼくは、『わるいこ』なんやろか…」と真剣に悩みます。

7月7日授業で、七夕さまにお願いを書くことになりました。この子は、どんな願いことを書いたと思いますか?

「おこだでませんように」と。ただ一言。稚拙な字で。

先生と母親はどんな気持ちになったでしょう。私も38年間教師生活をして、こんな子どもによく出会いました。表面的な言動だけでなく、その子の心の中はどんな動きをしているのか、何を考え悩んでいるのか。私たち大人は、心の目でしっかりと見えない心の動きを見てあげたいものです。

さて、このお話の最後はどうなったのでしょう。ぜひ手に取って、お読みください。

素敵な言葉と楽しい絵で終わり、しばらくは優しい、ぽかぽか温かい気持ちになれます。

子育てで奮闘中のお母さん・お父さん、そしてすべての大人にこの本を捧げます。

 

5月9日(土)あさ9時~BSNラジオ「大杉りさのRcafe」で放送予定

この記事のWRITER

倉品章(三条市在住・読書アドバイザー)

倉品章(三条市在住・読書アドバイザー)

1949年・長岡市生まれ。新潟大学卒業後、県内小学校に勤務。ドイツ・ハンブルグ日本人学校長、三条市立裏館小学校長など国内外の教育現場を経験。定年後「あきジィ」の愛称で読み聞かせボランティアを実施。中高年向けに「読書のススメ」講演も。現在:JPIC読書アドバイザー、三条市社会教育委員など。
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