SDGs de はぐくむコラム

今年もキッズフェスティバルに参加します!

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今年もキッズフェスティバルの時期がやってきました。今年のBSNキッズフェスティバルは10月1日(日)10時から16時。万代シティパーク・万代シティ通りを会場に開催されます。思い返せば昨年度は長岡技術科学大学の皆さんと一緒にブースを構え、大学生同士の交流もふまえながら楽しい時間を過ごしました。今年度はどのような出会いがあるのか楽しみです。

まずは昨年度の内容を振り返ってみたいと思います。私たちの研究室では健康度チェックのブースを開きました。チェックの内容には口腔機能(特に唇や舌)の巧緻性などを評価する測定や脚の筋力などを評価する測定を実施しました。口腔機能の測定はパタカテストを行いました。パタカテストとは、10秒間のうちに「パ」を何回言えるか。「タ」を何回言えるか。そして「カ」を何回言えるかを数えます。学生の「よーい、スタート」の掛け声で、「パ、パ、パ、パ・・・」と発します。これがなかなか難しいのです。オーラル・フレイルなんていう言葉がありますが、これは「歯科口腔機能の虚弱」「口腔機能低下症」「要介護性口腔症候群」等の総称です。口腔機能はとても重要で、食べ物を噛んだり飲み込んだりする力が弱まることは虚弱が進んでしまうということになります。ブースにはご家族で立ち寄る方々が多く、子どもと一緒に「パ、パ、パ…」「タ、タ、タ…」「カ、カ、カ…」と、勝負している光景は和やかでした。

次に2ステップテストです。まずはつま先を揃えてからのスタートです。大きく前へ一歩、二歩と歩いて両足をそろえて止まります。このとき、なるべく大股で歩くことで、下肢筋力・バランス能力・柔軟性を評価することができます。この2歩幅の長さを測ったら、評価の計算です。2歩幅(㎝)÷身長(㎝)で、2ステップの値が算出できます。この2ステップ値が1.3以上であれば問題なし。今の生活で移動機能の維持ができているということです。2ステップ値が1.0の場合は筋力やバランス力の低下が始まっている状態だと判断します。運動習慣が大切です。2ステップ値が0.9から1.1の場合は自立した生活ができなくなるリスクが高くなっている状態です。そして2ステップ値が0.9未満は移動機能の低下が進行して社会参加に支障をきたしている状態だと判断されます。これも子どもから大人までみなさん真剣になって取り組んで頂きました。結果で一喜一憂するのではなく、自分の現状を知って、これからどうしたらよいかという対策について、学生たちからアドバイス受けたことも良かったようです。高価な機材を使わなくても、このように簡単に測定評価できるということは、自宅でもできるということです。パタカテストも2ステップテストも、自宅でご家族一緒にやってみると良い時間になるのだと思います。

さて、キッズフェスティバルの話に戻ります。去年のステージでは新潟大学と長岡科技科学大学によるチャレンジコーナーが催されました。大学対抗のゲームなのですが、その前にSDGsのゴールについて学生たちから説明がありました。新潟大学チームからはゴール13について解説です。ゴール13は気候変動についてですが、①廃棄食品を減らすこと、②リデュース・リユース・リサイクル、③長距離の移動手段について考えること、④積極的に野菜を食べて環境を考えること、⑤家庭で使う電気をLEDに換えるなどして節電をすること、⑥公共交通機関を利用して化石燃料の使用を抑えること、⑦温室効果ガスを控える電気自動車に乗り換えること、⑧そしてみんなで声を上げて行動に移すことの大切さについて、それぞれ説明してくれました。

そして大学対抗のチャレンジコーナーです。内容はSDGsクイズと、長岡技術科学大学の学生たちが考えてくれた「風船運びレース」です。レースは、うちわで扇いで手作りの風車に風を送り、風の力でできた電気を使って風船を運ぶというものです。各大学チームには子どもたちも参戦してくれました。みんな一緒にうちわで風を送ります。扇いで、扇いで、子どもも学生も必死です。見ているお客さんたちも勝負の行方にくぎ付けです。SDGsクイズも僅差の勝負でしたが、最終結果は長岡技術科学大学地チーム60点、新潟大学チーム80点と、新潟大学チームに軍配が上がりました。勝負はともあれ、最後はみんな楽しく充実した表情でした。

チャレンジコーナーの次は、新潟大学の学生たちが考案したPARTY体操で体を動かす時間です。この体操は音楽プロデューサーのYANAGIMANさんと、かりゆし58のボーカル前川真悟さんから曲と歌を担当して頂き、楽しく大きく身体を動かしたくなる仕組みで構成されたものです。体操には専用のタオルを利用するのですが、これは岡山県高野町で明治10年に誕生した「再織-さいおり」という伝統技術を用いた手法でつくるタオルです。今では日本に5台しか残っていないという編機によって職人の方々から丁寧に体操専用タオルを手作りしてもらいました。運動と音楽と伝統技術の融合によって生まれた体操だということです。この体操は楽しいだけではなく、子どもたちの発育発達段階で重要な動きを加えながら、どんな動きがどこの筋肉にどう作用しているかなどを学生たちが筋電図で測定しながらみんなで作り上げていきました。この体操をステージで子供達と一緒に実演しました。

あらためて、今年は10月1日(日)に開催です。今年度もブースでは健康度測定など開催します。また、今年は新しくSTEAM教育に関するゲームも実施します。

STEAM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた、技術革新が進み人工知能の影響で世の中が大きく変化する中で生まれた教育概念です。これら5つの分野の学習を通して、子どもを今後のIT社会に順応した競争力のある人材に育てていくための教育方針となりますが、これを楽しく遊びながら学ぼうというのが新しいチャレンジです。

当日はたくさんの方々と出会えることを楽しみにしています。ブースで見かけたら、ぜひ声をかけてください。楽しいゲームや催し物でみなさんをお待ちしています。

 

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
9月23日は、新潟大学人文社会・教育科学系准教授 村山敏夫さんです。お楽しみに!

この記事のWRITER

村山 敏夫 (新潟市在住 新潟大学人文社会・教育科学系准教授)

村山 敏夫 (新潟市在住 新潟大学人文社会・教育科学系准教授)

1973年 十日町市生まれ。新潟大学大学院修了。新潟大学SDGs教育推進プロジェクトに取り組み、SDGs未来都市妙高普及啓発実行委員会委員長、新潟市SDGsロゴマーク選考会委員長を担当。出雲崎町、上越市など地域と連携した教育・健康・パートナーシップの仕組みづくりも担う。
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