今回は、SDGsの目標を達成するために、わたしたち一人ひとりができることについて考えていきます。
わたしたち一人ひとりがSDGsに取り組む方法は大きく3つあります。
1つ目は、「ボランティア」など直接、社会貢献活動を始めたり、参加したりする方法です。
2つ目は、社会で起こっている問題などを知って、SDGsに対する理解を深めて、それを伝えていくという方法です。
3つ目は、「寄付」を通じて、社会貢献活動を後押しする方法です。
その中でも、今回は「寄付」を取り上げたいと想います。
寄付とは持続可能な未来へのギフト
みなさんは寄付をしたことがありますか。
寄付とは、募金活動を実施している団体に金銭や物品を贈ることを言います。物品と書いたように、必ずしもお金を送ることだけが寄付ではありません。
以前取り上げた「子ども食堂」では、お米や野菜など食料品を寄付してもらっているところが多いです。
多くのみなさんに馴染みが深いのは「赤い羽根共同募金」かもしれません。戸別募金として、町内会などを通じて世帯ごとに募金の協力を呼びかけています。
新潟県の場合は、戸別募金だけでも年間2億円以上が集められ、地域の福祉活動の充実に活用され、私たちの暮らしを豊かにしてくれています。
寄付されたお金は、地域の福祉の向上に役立てられたり、災害の復旧や復興に活用されたり、生物多様性を保全するため、子育て環境を充実するため、動物の命を保護するため、医療や科学技術の発達を支えるため、奨学金など学ぶ権利を守るため、などさまざまな社会貢献活動に使われています。
私たちのいまの暮らしを豊かにするとともに、未来をよりよくすることにも使われるということは、寄付は持続可能な未来へのギフトと言えそうです。
多様な寄付の形
直接、社会貢献活動をしている団体に寄付する方法だけでなく、最近では、さまざまな形で寄付することができます。
例えば、身近なところではコンビニのレジ前には募金箱がありますし、大手スーパーではレシートの金額分を寄付できるキャンペーンを行っているところもあります。
これらの中には、直接団体を指定できるものもあれば、環境を保全する活動など大きなテーマに対して寄付を集めて、分配する方法が取られているものもあります。
また、年賀状には寄付つきのものがあり、購入すると1枚あたり5円が寄付に回されます。年間約3億円が集まり、環境を守る活動、被災者の救助や災害予防、文化財の保護を始めとしたさまざまな社会貢献活動に分配されています。
このような例は「寄付つき商品」といって多くの企業が取り組んでいます。自動販売機や古本の買取といった形の取り組みもあります。
その他にも、人生最後の社会貢献として、相続財産等を寄付する「遺贈寄付」という形も最近では広がってきています。
寄付先を選ぶ3つのポイント
ぜひ、この記事を読んだあとには、親子で寄付をしてみる体験に挑戦してもらえると嬉しいです。
寄付先を選ぶポイントは3つあります。
1つ目は、あなたが大切だと思っていること、解決したほうがいいと思っている課題に取り組んでいる活動や団体かどうか。
まったく関心のないところに寄付する動機は生まれません。子育てなのか、環境なのか、あなたが寄付することでどんな未来に役立ててほしいかを考えてみましょう。SDGsの17のゴールを参考にするのもいいですね。
2つ目は、寄付の使いみちに納得できるかどうか。
寄付先によっては、具体的な使いみちが決められている場合もありますし、団体の活動全般に使用したいなど、募金の目的もさまざまです。そうした情報をきちんと確認した上で寄付するほうが、納得して寄付できるでしょう。
3つ目は、その団体を信頼することができるかどうか。
団体が寄付金をどれくらい受け取っていて、どのように活用しているのかが情報を公開されているか、活動によって実績をあげているか、寄付者が多いかなど、その団体が信頼でき、寄付することで有効に活用してもらえるかという視点で見ることも大切です。
寄付で最初の一歩を
毎年、12月には一年の終わりに寄付を考える「寄付月間」という全国的なキャンペーンも行われています。
一年をふりかえりつつ、何を大切に過ごしてきたか、これから何を大切にしたいかを考えて、寄付先を選ぶのもいいですね。
持続可能な社会をつくるのは一人ひとりのアクションです。直接ボランティアなどの活動をすることも一つですが、寄付という形で誰かを応援することも大切なことです。
いろいろと寄付先を調べて、自分自身の視野を広げるという意味でも、SDGsにつながるアクションの最初の一歩として、寄付からはじめてみてはどうでしょう。