グーテンターク!お元気ですか。ドイツから学ぶことはいくつもあります。ある時、信号のない横断歩道におばあさんが二人立っていました。そこへ若者が運転する車が”サーッ”と通りすぎました。すると、おばあさんは、「!!!!!」と大声で怒り始めました。そう、必ず車は停まらなくてはいけないのです。「人間が優先」「車は次」という考え方です。そして、こうした決まりはきちんと守ることが、社会生活を営む上では大切だということを小さいころから教えてもらっているのです。車社会のドイツですが、運転マナーはとてもしっかりしています。割り込みはほとんどしませんし、クラクションもあまり鳴らしません。静かな時間を楽しんでいるのに、それを邪魔されるのは許しがたいということです。「公」「私」を小さいころから叩き込んでいます。ある寒い朝、フロントガラスが凍っているので暖機運転をしたら、大家さんに怒られました。空気はみんなのもの、空気を汚してはいけません。環境を考えましょうということです。
「子どもに生き方を教えるのは親の務めである」(渋沢栄一「人生百訓」)
さて、ドイツの高速道路は快適です。かつては、スピード制限がなかったので150㎞前後で走ります。まあ、現在は都市部では一部制限を設けているようですが。自己責任なのです。自分で判断せよということ、ある意味厳しいと思います。ただサービスエリアが少ないのが難点。買い物やトイレに行くときは一旦、一般道におりなければなりません。ただ、どの高速道路も無料ですからいいようなものですが。
ドイツにも、日本とおなじような四季があります。しかし、寒く長く暗いという話を以前しました。そこで楽しく過ごす工夫をいくつか考えています。例えば散歩です。全館暖房の家にいるのですから、外に出ていい空気を吸うよう心がけています。散歩が一番、手軽でお金もかかりません。学校では「ファッシング」という行事が年一回あります。まあ、パジャマ・ディのようなもので、自分の好きな服装で一日を過ごすのです。今年は何にしょうかと考えるのも楽しいです。スーパーなどのお店では、手ごろな値段でいろいろな衣装が並びます。それでは私も、と!
今回紹介する本は、「このよで いちばん はやいのは」 です。
「かがくのとも絵本」シリーズの一冊です。15年前に発行されていますが、とても楽しく考えさせられる本です。「このよで いちばん はやいのは」なんだと思いますか?
カモシカ、チータ、ツバメ…、いえいえ。もっと早いのは新幹線、ジェット旅客機…と、どんどん進んでいきます。
答えは、「人間が頭の中に何かを思い浮かべたり、考えたりする力、『想像力』だ」と作者はいうのです。田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに会いたいと目をつむれば…、ほらすぐに会えるよ!
お父さんやお母さん、そして多くの大人にもぜひ読んでもらいたい一冊です。
3月13日(土)BSNラジオ 朝9時~ 「大杉りさのRcafe」で放送