SDGs de はぐくむコラム

「おいしい!」はよく噛むことから

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みなさんは“よく噛んで”食べていますか?
おなかがすごく空いた時…、時間がない時…、忙しい…、ついつい流し込むように食べてしまうことはありませんか?
私も忙しい日の昼食は、できるだけ早く食べられるものを選び、簡単に済ませてしまうことがあります。そんな日があっても仕方がない!と思いつつ、日々の食事では【噛む】ことを意識するように心がけています。

毎年6月になると、保育園や小学校では『歯と口の衛生週間』として、よく噛めるように工夫された「カミカミメニュー」が給食の献立に登場したり、栄養士さん達が「噛むことの大切さ」を伝える場面もあるかと思います。なぜなら、成長期の子どもにとって、よく【噛む】ことはたくさんのメリットがあるからです。

「焼きそば風切り干し大根 」「キャベツとさきイカのサラダ」

〈よく噛むことの効果〉
① 唾液がたくさん出て〈虫歯予防〉になる
② 唾液に含まれる消化酵素がたくさん混ざり〈消化を助ける〉
③ 唾液がたくさん出ると〈味がよくわかる〉ようになる
⑤ 噛むことで口の周りの筋肉が発達し〈表情や発音がよくなる〉
④ 噛む刺激であごが発達し〈歯並びがよくなる〉
⑤ 噛む刺激で〈脳の発達〉が促される
⑥ ゆっくり食べることで満腹中枢が刺激され〈過食を防ぐ〉

虫歯予防、表情や発音、味覚の発達、脳の発達…。よく【噛む】ことは「おいしい!」と食事を楽しむためにも、また健やかな成長のためにもとても大切なのが分かりますね。もちろん、大人にも同じ効果があります。

しかし、料理を目の前にした時に【噛む】ことを意識しすぎたり、子どもへの声掛けが多くなり過ぎたりすると、ストレスになり食事が楽しめなっては逆効果です。

そんな時は、自然と【噛む】回数が増える食材を組み合わせてみましょう!なかでも、伝統的な日本食には【噛む】ことで味が出て旨味をより感じることができる食材がたくさんあります。
例えば、玄米、大豆、小魚や干物、昆布やひじき等の海藻類、ごぼうやれんこん等の根菜類、切り干し大根や高野豆腐等の乾物類を、料理にプラスしてみるのはいかがでしょうか。また洋食でも、具材にイカや貝、サラダにアーモンドやクルミなどを上手く利用してみるのもおススメです。

子どものおやつでは、りんごやなし、とうもろこし、干しイモ、スルメなどの食材なら【噛む】回数が増え、栄養もとれるので一石二鳥ですね!

次に調理のポイントです。食材は大きく、または細長く切り、歯ごたえが残るように加熱すると【噛む】回数は自然と増えます。また、味つけは薄くすることで、食材そのもの味を引き出そうとよく噛むようになり、逆に甘味や塩味が強いと口に入れてすぐ味を感じてしまうため、あまり噛まずに飲み込んでしまいます。
他にも、食事中の頻繁な水分補給が、食べ物を流し込むクセにつながることがあるため、小さなお子さんも注意して見てあげましょう。

「打ち豆ごはん」

生涯続く『食事』が「おいしい!」と満足できれば、人生は豊かになります。そのために、子どもの頃からよく【噛む】習慣をつけることはとても大切です。ご家族皆さんで「おいしい!」を食卓でたくさん感じてほしいと思います。

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
3月25日は、長岡市在住・管理栄養士のますがたみきさんです。お楽しみに!

この記事のWRITER

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

1981年 長岡市生まれ 短期大学専攻科卒業後、長岡赤十字病院で管理栄養士として6年間勤務。子ども達の成長と母親の育児に寄り添うため自身が考案した「食能」をキーワードに「はれいろごはん」を設立し、おやつ開発や料理教室を展開。2児の母親。 長岡市委託事業として乳幼児の健診・栄養相談・特定保健指導なども担う。
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