SDGs de はぐくむコラム

世界の未来を変える目標から、新潟の未来を考える

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最近、テレビや新聞でもよく見かける「SDGs」という言葉と、カラフルなアイコン。でも、どういう意味なのだろうと疑問に思うことはありませんか?

今回のコラムでは、知っているようで、知らない、この「SDGs」についてお伝えしていきたいと思います。

 

SDGsとは?

SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称のことで、「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」と読みます。

日本語では、「持続可能な開発目標」と訳されています。

2015年9月の国連サミットで加盟193か国の全会一致で採択された「われわれの世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」という文書に、2030年までの15年間に達成すべき目標としてSDGsが含まれています。

でも、SDGsの前に、そもそも、「持続可能な開発」ってなんだと思いますか?

「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」のことを指しますが、これだけではわかりにくいですよね。

それに、開発というと、少し自分たちから遠い話に感じられます。ここでは、まちづくりと置き換えてもらうと、より身近に感じてもらえると思います。

つまり、まちづくりをする時は、いま生きている私たちの時代のあらゆる人の困りごとを無くしていくこと、さらに、将来の世代に悪い影響を残さないようにすることを心がけましょう、という意味になります。

まちづくりを進めていくときには、その結果として、「経済が成長すること/衰退すること」、「環境を守ること/破壊すること」、「誰かが差別されないこと/差別されること」など、良い影響も悪い影響も生まれる可能性があります。

良い影響が生まれたと思った一方で、気づかないところで悪い影響がたくさん生まれてこないように、バランスのとれたまちづくりをしないと、いまの私たちも、将来の子どもや孫の世代も安心して暮らしていくことができなくなってしまいます。

 

誰ひとり取り残さない、という誓い

SDGsでは、「誰一人取り残さない」ことを誓っています。これはどういう意味でしょうか?

私は三条市の郊外に住んでいて、近隣にお店がいくつもあります。また、公共交通も電車にバスなど選択肢がいくつかありますし、免許を持っていて車が運転できるので、近くで買えないものがあれば、自由に移動することもできます。

一方で、公共交通もほとんどなく、近くに買い物をする場所もない山間部に住んでいて、免許を持っていない、または返納した高齢の方々は自由に移動できません。場合によっては、お店がある場所まで出るのに片道1万円ほどタクシー代がかかることもあります。

このように移動に制限がある中では、豊かであっても、安心して生活を送ることが難しいと言えるでしょう。

「誰一人取り残さない」というSDGsにおける誓いは、すべての人が、よりよく生きる権利が守られている世界を目指すことを意味しています。

高齢になっても、どこに住んでいても移動に不自由しなくなるにはどうすれば良いか、移動しなくても買い物や通院などの目的を果たせるようになるにはどうすれば良いかを考えていくことがSDGsの達成においては考えないといけないことです。

もちろん、交通の問題だけではありません。性別や国籍の違いで仕事の機会が得られなかったり、給料が変わること。学校が合わないから、また途上国で生まれたから勉強する機会が十分に得られないこと、など。さまざまな場面において、「取り残される=権利が守られていない」という状態があり、それぞれ解決しなければいけない大切な問題です。

 

SDGsによって変わる社会

2030年に「誰一人取り残さない」世界に変わるように、日本でもたくさんの変化が起こっています。

日本政府は、2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにしようと昨年、菅首相の所信表明演説で発表しました。それに続いて、全国の都道府県や市町村でも表明が続いています。

県内でも、新潟県や新潟市、柏崎市、佐渡市などが表明しています。

温室効果ガスの排出量が減っていかないと、温暖化がますます歯止めがかからなくなり、より大規模な災害が起こって私たちの暮らしを脅かしたり、農業や漁業が今まで通りできなくなって食べるものが十分に供給できなくなる恐れがあります。

また、学校教育の基準を示した学習指導要領には、「持続可能な社会の作り手」という言葉が2017年の改訂で加わりました。

これから学校で学ぶ子どもたちには、SDGsが実現できる社会を作っていくための知識や経験を育んでいくことが期待されています。だからこそ、いま、多くの学校の授業でSDGsに取り組み始めています。

これらは一例に過ぎませんが、持続可能なまちづくりを進めていくために、行政、企業、学校などさまざまなところで変化が起こっています。

そして、これからの時代は、SDGsが当たり前の社会になっていくでしょう。

 

私たち一人ひとりのアクションから始まる

とはいっても、何か大きな話で、SDGsに私たち一人ひとりができることはあるのかと悩む方もいらっしゃるでしょう。

でも、私たち一人ひとりの意識と行動がいまの社会を作り出しているのです。

だからこそ、マイバッグを持ち歩く、食べ残さない、水を出しっぱなしにしない、誰かにSDGsのことを伝える、など小さなアクションを起こしていくことが大切なのです。

一人ひとりのアクションの積み重ねが、きっと、「誰一人取り残さない」未来に繋がっていきます。

ぜひ、SDGsを通じて、新潟の未来を考えていきましょう。

 

あなたは、どんな新潟に暮らしていきたいですか?

 

今週からはぐくむコラムは「立石勇生 SUNNY  SIDE」内10時台に放送予定です。

毎月第1土曜日は「SDGs de はぐくむコラム」と題してお送りします。

持続可能な未来について、誰一人取り残さない未来について

立石パーソナリティと一緒に学びましょう!

この記事のWRITER

石本貴之(三条市在住 地域づくりコーディネーター)

石本貴之(三条市在住 地域づくりコーディネーター)

1983年、大阪府生まれ。滋賀県立大学大学院環境科学研究科を卒業後、民間調査会社、環境省の情報拠点「地球環境パートナーシッププラザ」を経て、縁あって三条市に移住。新潟県内を中心に市民活動やソーシャルビジネス、SDGsを軸とした持続可能な地域づくりをサポート。一男二女のパパ。 現在:特定非営利活動法人まぢラボ 代表理事、一般社団法人全国コミュニティ財団協会 事務局長、カードゲーム「2030 SDGs」&「SDGs de 地方創生」公認ファシリテーター、総務省「地域力創造アドバイザー」など。
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