はぐくむコラム

「つかまり立ち」〜「歩く」ことってバランス運動!

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前回のコラムの後の「こたえ合わせ!」では、「はいはい」の奥深さについてお話ししました。①筋肉を鍛えることができる。②転んでも顔のケガをしない。③歩く動作の練習になる。という3つの視点です。今回は「つかまり立ち」と「ひとり歩き」、「歩く」についてお話しいたします。

厚生労働省がまとめた2010年の乳幼児身体発育値によりますと、「つかまり立ち」は“生後11〜12ヶ月未満の乳児90%以上が可能”と報告がありました。この場合の判断は「つかまり立ち」は、長時間かかっても何かにつかまってひとりで立ち上がれば「できる」とし、他人が立たせてやって立っているものは「できない」としています。

赤ちゃんが「つかまり立ち」ができるようになると、遠くや高い所のものが見えるようになることで情報量が格段に増えます。興味や関心がどんどん広がっていくことでしょう。しばらくして一人でしっかり立っていられるようになると、片足を上げたりするようになります。その頃から移動するための志向が強くなり、足を動かしたり、カニ歩きをしたりして「つたい歩き」ができるようになります。テーブルなどにつかまって「つたい歩き」をしている姿は、頼もしく感じられます。

そして、いよいよ「ひとり歩き」へと発達します。「ひとり歩き」は物につかまらないで、2〜3歩あるくものを「できる」としており、生後1年3〜4ヶ月の幼児の90%以上が可能でした。「つかまり立ち」や「ひとり歩き」が始まると大人は目が離せなくなります。行動範囲も広がり、活発に動くため「はいはい」の時よりケガのリスクも大きくなります。階段からの転落、転倒など注意をしなければなりません。特に後への転倒が怖いので、リュック型のベビーヘッドガードを背負わせたり、行動範囲を設定できるベビーサークルやゲートを上手に利用したりすることも良い方法です。

しばらくして、しっかりとした足取りで「歩く」ことができるようなると、 一緒の散歩やお出かけも楽しい時間になります。さて、お子さんと歩くときは、しっかりと手をつないでいますか?

実際にやってみてください。周りに何も無いことを確認して片足立ちになり、頑張りすぎて倒れないように気をつけながら両目を閉じてください。さて、どれくらい片足で立てていられましたか。5秒?10秒?30秒?60秒?

次に、片手で、壁でも机でも良いので掴まってから同じ動作をしてください。5秒?10秒?30秒?60秒? いかがですか。凄く楽に立つことができますよね。掴まることは、バランスを補完することになります。

これと同じ事が「手をつなぐ」ことになります。歩いているときは、平行感覚を養っている時間なのですが、手をつなぐことで、大切な時間を勿体ない時間にしてしまいます。もちろん、交通量の多い危険な場所や人混みは積極的に手をつないでください。安全な場所では手をつながないか、お子さんに大人の指をつかませるくらいで良いでしょう。

「歩く」ことは平衡感覚が養われてこそできる「究極のバランス運動」です。3歳を過ぎたら目を閉じないで両手を広げて片足立ちをさせてみてください。

最初はグラグラして10秒もできないと思います。新潟県立幼稚園の子どもたちと一緒に運動遊びをする時は、必ず片足立ちをしています。ピタッと止まれて 20秒位できるようになるには、経験(意志と我慢)が必要です。4歳、5歳と年齢が上がるに従いとても安定してきます。合わせて「歩く」こともふらふらしないで、真っ直ぐ歩けるようになってきます。平衡感覚と脚力が発達していることが実感できるのではないでしょうか。

是非、片足立ちにチャレンジしてみましょう。その時のポイントは…。右足だけ、左足だけではなくて、必ず両足をしてください。

 

BSNラジオ「大杉りさのRcafe」8月3日放送予定

この記事のWRITER

伊藤巨志(三条市在住 新潟県立大学人間生活学部子ども学科 教授)

伊藤巨志(三条市在住 新潟県立大学人間生活学部子ども学科 教授)

1964年、三条市生まれ。日本体育大学大学院修了、新潟大学大学院博士課程修了。子どもの身体発育発達学、運動遊び、健康教育を専門に研究。県立自然科学館で「忍者アトラクション 出現!とやの城」を監修するなど、遊びの中で運動を身につける「遊育」を推奨。現在:県立大学人間生活学部子ども学科長。日本体育学会、日本発育発達学会などに所属。
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