SDGs de はぐくむコラム

中学生・高校生へ エール!

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2016年8月、広島で行われたインターハイに水泳選手として出場した当時高3の息子。中学の時は、県大会決勝に出られるか出られないかというレベルであったが、高校では努力と良き指導者、仲間に恵まれ、北信越大会で入賞してインターハイへの出場権を得た。応援には妻と4学年下の娘の3人で行った。

息子は応援に行った妹に「今度はおまえが俺を連れて行ってくれ!」とエールを送った。

あれから4年、娘はインターハイを目指し、日々練習に励んでいた。2020年はオリンピックイヤー! 今年のスポーツは熱くなるぞ!! と思って明けた正月から一転。当初、新型コロナウイルス(COVID-19)は人-人感染が起こらない病気だったはずが…。2月、3月になり状況は終息するどころか拡大する一方になり、冬の厳しい練習に耐え、「さあこれから!」と言うときに始まった一斉休校。

3月・4月、自宅学習の中、体づくりやイメージトレーニングに励んでいた時…。4月26日 に全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の中止が発表され、その2日後、全国中学校体育大会(全中)の中止も発表された。そして、高校野球も春に続き、夏の甲子園大会も5月20日に中止が発表された。

COVID-19の猛威から子ども達の安全・安心を考えるならではの判断であろう。インターハイや全中、甲子園を目標に日々努力をし、切磋琢磨していた生徒達。特に、中学3年生、高校3年生にとっては、部活動最後の学年と考えていた生徒も多くいたはず。地区大会→県大会→北信越大会→全国大会という道が無いということは、競技や発表をせずに終了する学年ということになる。

たとえインターハイや全中、甲子園に出られる選手は一握りだとしても、何もせずに「終了」することのやるせない気持ち。「悲しい」「悔しい」「寂しい」「つらい」といった、やり場の無い感情を昇華することは難しい。

世間の状況から薄々気付いていたとしても一縷の望みを持って取り組んでいたのに・・・。

突然、競技や発表をする場を奪われてしまったその瞬間、やり場の無い感情があったとしたならば、

それはあなたが『真剣』に取り組んでいたからです。

残念ながら2020年という年は2度と来ないけれど、一番大切な『真剣』に取り組んだことを知ることができた年になったのかもしれない。

友達、先輩後輩、顧問の先生、家族のみんなは、あなたの『真剣』な姿を見ていました。そして応援をしていました。

だからこそ「悲しい」「悔しい」「寂しい」「つらい」といった、やり場の無い感情を共有しています。

あなただけではなく、全国全ての生徒が同じ感情を抱きました。

インターハイや全中、甲子園が中止になったからといって、立ち止まって嘆いていても解決があるわけではありません。

このまま競技を続けるにしてもやめるにしても、自信を持って言えることは【一番大切な『真剣』に取り組む部活動があった】ことです。

エール! あなたの『真剣』な姿を見てきました。そして応援してきました。

これからも応援し続けます。

Hurray(フレー)  Hurray(フレー)  中学生

Hurray(フレー)  Hurray(フレー)  高校生

Hurray Hurray 中学生  Hurray Hurray 高校生

この記事のWRITER

伊藤巨志(三条市在住 新潟県立大学 大学院 健康栄養学研究科 教授)

伊藤巨志(三条市在住 新潟県立大学 大学院 健康栄養学研究科 教授)

1964年、三条市生まれ。日本体育大学大学院修了【体育学修士】、新潟大学大学院博士後期課程修了【博士(教育学)】。子どもの身体発育発達学、運動遊び、健康教育を専門に研究。新潟市寺山公園子育て交流施設「い〜てらす」低学年広場を監修するなど、遊びの中で運動を身につける「遊育」を推奨。現在:人間生活学部子ども学科長。日本体育・スポーツ・健康学会、日本発育発達学会などに所属。
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