大人の本棚・こどもの本棚

ルピナスさん ―小さなおばあさんのお話―

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この時期に咲くルピナスという花を知っていますか? これは、“ルピナスさん”と呼ばれるようになった一人の女性の、独立心にあふれた人生が描かれた絵本です。長い年月をかけておじいさんとの約束を果たしたルピナスさんは、その約束を今度は子どもの“わたし”にやさしく伝えます。

「クーニーは、(中略)生きるということの意味を、ルピナスさんとよばれた一女性のすがたをかりて、わたくしたちに語りかけているのだと思います。」(訳者あとがきより)

人は、特別なことでなくても、きっとそれぞれが何か世の中のためになることをするために生まれてきたのだ、と思わせてくれます。

全体を通して、青、紫、ピンク等、ルピナスの花の優しい色合いで構成されていて、目にも心地よく、すーっとお話に引き込まれるようです。中高生や大人の方にもおすすめの一冊です。

田野辺淳子(絵本の家「ゆきぼうし」副代表。2001年「ゆきぼうし」のある守門村(現魚沼市)に家族で移住。仕事をしながら「ゆきぼうし」スタッフの活動を続ける。)

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