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サグラダ・ファミリアの謎とアントニ・ガウディ

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スペインにある世界遺産 サグラダ・ファミリア(聖家族)教会 は、着工から140年以上たった今も建設中です。本書は、前半にその構造と歴史を、後半に建築家ガウディの生涯と、彼が造った奇想天外な邸宅や公園を、たくさんの写真とともに紹介しています。

天を突くような塔に囲まれたサグラダ・ファミリアには、3つの正面(ファサード)があります。イエス誕生の喜びに包まれた「降誕の正面」、磔刑の悲しみに沈む「受難の正面」、復活をたたえる未完成の「栄光の正面」です。聖書の有名な場面の彫刻がそれは見事で、目を奪われます。聖堂の中には、森の樹々を思わせる石の柱の間から七色の光が降りそそぎ、教会全体に小動物や植物が彫りこまれ、まるで森羅万象を宿した小宇宙のようです。

31歳で建築主任を任されたガウディは、キリスト教の精神を深く学び、イエスの物語を独創的な発想で表現していきました。しかし、73歳のとき交通事故で亡くなってしまいます。その上内戦がおこり、ガウディが作成した図面や模型、聖堂までが破壊されたそうです。

この窮地から立ちあがり建築を続行したのは、ガウディの意思を継いだ弟子たちでした。彼らは行きづまると、「ガウディならどう考えるか」と想像をめぐらすそうです。その中の一人が、日本人の彫刻家 外尾悦郎さん。「降誕の正面」を飾る天使たちや、扉の彫刻を託されました。

ガウディ没後100年にあたる今年、中心部の「イエスの塔」が完成しました! サグラダ・ファミリアにこめられたさまざまな物語を、この本で味わってください。いつか本物を見てみたいですね。

田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)

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