SDGs de はぐくむコラム

新しい春を迎えるための食事

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2月に入り、この冬一番の強い寒気が流れ込んだ影響で新潟県内の各地で大雪となりました。それでも、厚い雪をかぶった木々の枝先には小さな新芽が顔を出し、もうすぐ春が訪れることを教えてくれます。

毎年この時期に『長岡市親子のふれあい教室ぽっぽ』の斉藤春菜さんからお声がけをいただき、春から仕事復帰やお子さんの入園が決まったお母さん向けに【入園前に知っておきたい○○~心と体の整え方~】と題した講座を一緒に開催しています。元幼稚園教諭の斉藤さんからは、入園前後の疑問や過ごし方、親子で不安な時こそ大切にしてほしいことなど、お母さんの気持ちに寄り添ったお話を、管理栄養士の私からは緊張や疲れが出た時におススメな食材や、忙しい時の時短メニュー、大人の食事からのとりわけレシピなどをお伝えし、実際に試食もしていただきました。

今回は、講座の中でもお話した「心を整える食事」について、コラムでもお伝えしたいと思います。まず一つ目は、おなかの調子を整えること。脳と腸は密接につながっているため、ストレスがあるとお腹の調子が悪くなり、逆に便秘など腸に不調がある時はストレスを感じやすくなると言われています。そこで、生活環境が変わる季節は、特に腸内環境を整える食品を意識して取り入れてみましょう!例えば、野菜、果物、海藻、きのこなどに含まれる「食物繊維」、ヨーグルト、納豆、味噌などの「発酵食品」、玉ねぎ、ごぼうなど根菜に含まれる「オリゴ糖」などは腸内細菌のエサとなり、サバやイワシなどの青魚の脂に含まれる「DHA、EPA」は腸の炎症を修復する作用があります。和食は腸内環境を整えてくれる食材が多いため、“ご飯、納豆、具だくさん味噌汁”など朝の定番メニューに加えてみてはいかがでしょうか。

二つ目に、血糖値の乱高下を防ぐこと。砂糖を多く含む食品や飲み物を摂ると、血糖値が一気に上がり、その後血糖値を下げるホルモンがたくさん出ます。この血糖値の乱高下により交感神経が刺激され、イライラする、落ち着かない、疲れやすい、集中力が続かないといった症状につながりやすくなります。また、朝食を欠食すると、昼食後に一気に血糖値が上がるため同じような症状が起こりやすくなります。元気に1日のスタートをきるために、朝食は抜かず、甘い食べ物は控えめにして、血糖値の変動を緩やかにしていきましょう。

三つ目は、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンを体内で作ること。セロトニンは、脳の神経伝達物質で、気持ちや体調が安定するために大切な役割を果たしています。そのため「幸せホルモン」とも呼ばれています。このセロトニンは、アミノ酸の一つ「トリプトファン」に様々な栄養素が作用してつくられるため、これを食べればよい!というものはありません。まずは「トリプトファン」が含まれる魚、肉、卵、大豆製品、乳製品などたんぱく質が不足していないか、次に野菜や果物、海藻、きのこ類、穀物、種実類、発酵食品など、最近食べていない食品がないか見直してみてください。たくさんの食材を使うことで様々な栄養素が取り入れられ、セロトニンなど体に必要なホルモンも作り出すことができます。もちろん、毎日たくさんの食材を使用することが難しい場合は2~3日で調整するつもりで取り組んでみてくださいね。

ここまで、「心を整える食事」をお伝えしてきましたが、仕事や入園でただでさえ忙しいのに毎日の食事のことまで考えるのは大変かと思います。そんな時は、炊飯器一つでできる時短メニューや、冷凍保存術、アレンジ料理など、自分に合ったものをいくつか事前にピックアップしておくとおススメです。また、以前はぐくむコラムでもお伝えした【からだがよろこぶデリ】もどんどん活用して、家族みんなで心も体も整えながら新しい春を迎えてくださいね!

 

  

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
2月15日は、管理栄養士のますがたみきさんです。お楽しみに!

立石勇生 SUNNY SIDE | BSNラジオ | 2025/02/15/土 10:00-11:00 https://radiko.jp/share/?sid=BSN&t=20250215100000

この記事のWRITER

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

1981年 長岡市生まれ 短期大学専攻科卒業後、長岡赤十字病院で管理栄養士として6年間勤務。子ども達の成長と母親の育児に寄り添うため自身が考案した「食能」をキーワードに「はれいろごはん」を設立し、おやつ開発や料理教室を展開。2児の母親。 長岡市委託事業として乳幼児の健診・栄養相談・特定保健指導なども担う。
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