さて前回は両親学級とは?最近の両親学級の傾向などをお話しさせていただきました。今回は、母親学級しかなかったような時代から、最近までの変革の流れや昨年度実施した両親学級の分析と効果についてお話しさせていただこうと思います。
イクメンブームって知ってますか?
2010年に流行語大賞に選ばれ、子育てを積極的に参加する男性を指す言葉として、タレントさんが活躍したり、各所でイクメンが大きく取り上げられました。これは、ある意味意図的に、日本全体の少子化の対策としての政策でもあり、イクメン→女性活躍→ワークライフバランスという流れで、父親が育児家事に参加し始めると女性ももっと働きに出れるし、その環境を整えてほしいのは企業・団体であり、ワークライフバランスや働き方改革が必要だよねって、いう感じでした。
イクメンの時は、何と男性の育児休業取得率は1%程度。2024年では30%以上となっていることを考えると、この14年でこの世の中は大きく変革しました。
その時代の両親学級はというと、まだ、名称も、母親学級とかゆりかご学級、妊産婦教室とか、基本的には母親向けの講座しかほとんど無いような環境でした。それはそうです、父親が家事育児をもっとやりましょう!と言い始めた初めのころでしたから。その為、私たちのようなNPO団体などが先進的、且つ革新的に父親支援を開始し、新潟でも全国的に広まりつつあったパパスクールを開講しました。
新潟県の補助金を使いながら、少しづつ父親の講座を広げようと活動していきました。そうこうしているうちに、このような活動が徐々に認められ、県内いたるところから母親学級だったものが両親学級と変化し始め私たちに声がかかるようになり、連続4回講座の一つが父親向けになり父親経験者や男性が話す講座が増えてきたのが懐かしいです。
画像にもある通り、当初はもちろん座学で、男性の家事育児参加のお伝えすることもありましたが
(このころはとてもこういった講座は人気が無く小人数しか集まらなく困りました)、どちらかというと、父親と子供で参加できる遊びをきっかけに、子どもとの時間を創るとか、具体的な、家事のやり方、育児のやり方のノウハウ講座が中心でしたね。
さてそんな時代から、女性活躍の講座が増えたり、働き方改革(ワークライフバランス)講座が全国的にブームになったりしながら、徐々に徐々に男性の育休取得率が向上してきました。
特に感染症の大きな社会問題がきっかけとなり一気に働き方が見直され、企業が変わり始めたことをきっかけに一気に変化が大きくなりました(男性の育休率向上)。
そのような変革期を経て、現在の両親学級はというと(昨年度事業のアンケートや報告書から)、参加者の動機は、
1,初めての妊娠・出産への不安
2,出産予定時期が近いため、実践的な情報のニーズが高い
3,夫婦での学び・参加意欲(単独学習ではなく共同理解重視)
4,勤務先や医療機関からの紹介
5,父親の関与を見据えた準備意欲
などが中心となってきたようです。
安心材料の情報や、同じ境遇の交流の機会が求められ、母親が学び、父親に伝える!ではなく共に学ぶスタイルが一般化されつつあります。講座の内容もポイントとして、経験談の共有が非常に有効、夫婦間の対話や意識の変化などが重要とされつつあります。
あるパパたちの声はこんな感じです。
「試行錯誤しながら、みんなでいいパパになろう!という空気感がよかった」
「家事育児を一人で背負うことが、かえって相手の居場所をなくす、とい う話が印象的だった」
「父親としてのリアリティや行動のきっかけになった」
「正解はない、という言葉に救われた」
「“手伝う”ではなく“共に育てる”ことの大切さに気づけた」
などたくさんの声を頂きました。
このように、母親学級の時代から父親支援パパスクールの時代を経て、両親学級の時代へ変革してきましたが、一度はどんな人でもこのような講座に触れたり、もちろんネットや身近な方に聞いたりしながら新しい時代の子育てや人生の送り方を何らかのきっかけでより良いものにできたらとても良いなと思います。
これから子育てをされる皆様へ
どうか、一人で抱え込まずに育児のヒントは幾らでもあります。楽しくそして大変な育児を楽しめるように前向きにとらえてきましょう!

講座の様子

講座の様子

講座の様子
* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
4月12日は、ファザーリングジャパンにいがた顧問の大堀正幸さんです。お楽しみに!