子ども食堂をしていると、時々思うことがあります。
夕方になると「こんばんはー」と子どもたちの元気な声が飛び込んできます。その後ろから、小学生から乳幼児まで、何人もの子どもを連れてくるお母さん。子どもが一人でも、五人でも、どのお母さんも少しだけ疲れているように見えます。
家では、座ってゆっくりご飯を食べることはあるのかな。立ったまま食べたり、誰かの世話をしながら急いで口に運んでいるのではないかしら。朝入れたコーヒーが冷め切った頃に「あ、飲むの忘れてた」とつぶやきながら飲み干しているのかもしれません。

親たちはみんな一生懸命です。仕事、毎日のごはん、洗濯、宿題。工夫もしているし、ちゃんと子どもとも向き合っています。でも、思うようにいかないのが子育てです。

食事作り
月に二回開催している「ふじみ子ども食堂」。冬の寒い日も、子どもたちにコートを着せ、ブーツを履かせて、チャイルドシートに乗せてやって来ます。それでも来てくれるのには、きっと理由があるのだろうと思うのです。
上の子と通っていたお母さんが、第二子を出産してまだ一ヶ月ほどなのに赤ちゃんを連れて子ども食堂に復帰します。会場は広くありません。家族ごとに小さな机を囲んで、ぎゅうぎゅうになって座ります。

食事のサポート
ご飯を運んでいくと子どもたちの「いただきます!」の声が響きます。それでも帰り際、お母さんたちは言います「今日はゆっくり食べられました。」核家族が増えているので、家でサポートしてくれる大人がいない家庭も少なくありません。でも、子ども食堂では、大きい子たちは食べ終わると、そこにいる子どもたちとすぐに遊び始めます。赤ちゃんがぐずるとボランティアさんが自然に抱っこします。離乳食の時期の子どもには、親の隣でそっと支援に入ります。だから、ここで少し肩の力を抜けるのかもしれません。
子どもを育てるのは親の役目、親を甘やかしているのではと思う人もいるかもしれません。でも月に二回くらい、温かいみそ汁をゆっくり飲む時間があってもいいのではないでしょうか。

今は、困ればネットですぐに答えが見つかります。けれど子育ては、検索どおりにはいきません。相手は、小さくても、ちゃんと意思を持った一人の人間です。子育てに正解はないと言われながらも、その通りにならないと不安にもなります。
そんな時、ご飯を食べながらこぼれる弱音に、「わかる」と共感してくれる人がいる。泣いている赤ちゃんを抱っこしてくれる人がいる。「トイレに行ってくるから、子どもをみていて」と頼む経験。そんな小さな積み重ねが不安を軽くしてくれるのではないでしょうか。
子育ては、沢山悩んで、考えて、うまくいったりいかなかったり、泣いたり笑ったりを繰り返しながらその親子や家庭にしかない答えを探していく時間なのだと思います。月に二回、ほっとできる場所がある。それだけで、また少し頑張れるとしたら。そんな場所を、これからも続けていきたいと思っています。

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。2月28日は、新潟市在住 にいがた子育ちステイション理事長 /子育て支援ファシリテーターの立松有美さんです。お楽しみに!
