大人の本棚・こどもの本棚

はりねずみのルーチカ ーカギのおとしもの―

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フェリエの国というおとぎの国で暮らす、はりねずみのルーチカ、もぐらのソル、てんとうむしのニコ、ふたごのネコのルクルとクプル、妖精のノッコ、なぞの少年トゥーリらの物語です。北見葉胡さんの幻想的でかわいらしい絵が各ページに挿入されており、登場人物それぞれの個性が素敵に表現されていますし、植物などの自然物も美しく、小学生ならあこがれを持って見るでしょう。

たくさんのシリーズが出ており、本によって異なるのですが、この本には3つのお話が入っています。表題作では、鍵の落とし物を見つけたルーチカらが、その持ち主を推理して探します。「レぺテの実とふしぎなたね」では、ソルがふしぎな実を食べたところ、何かをしゃべろうとしても前に人が言ったことを繰り返してしまうことになります。「うれしかったお月さま」では、湖の底で咲いている花がどうしてお月さまと同じような色をしているのか疑問に思ったトゥーリに対して、みんながお月見会の時に、その理由を劇にして見せてあげます。何か困ったことが起きたり疑問に思うことがあったりしても、みんなで協力して、その問題を解決していくことになるので、安心して読むことができます。

このようなタイプの本をチャプター・ブックと言います。1冊に複数のお話が入っていて、同じ登場人物が出てきますが、1話1話は完結しています。絵本と本格的な長編物語の間をつなぐ読書経験ができる本として、小学生の皆さんに親しんでもらいたいと思います。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)

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