
作家の著者は、家族とともに語学留学をしていたカナダで、乳がんであることを知りました。ちょうどコロナ禍の時期で、カナダで治療することを決め、その闘病や日常を綴ったノンフィクション作品です。よく読まれている作品で、最近、文庫も出版されました。
この作品には、私は三つの印象があります。一つ目は、医療関係者や家族のみならず、友人が多数登場し、そのやりとりの中で、物語が進んでいくということです。二つ目は、医療関係者の台詞が関西弁に翻訳した形で書かれており、それがかえってその医療関係者の人柄を表しているようで面白いです。三つ目は、その時々の状況や自身の意思決定の過程を比較的冷静に描いているということです。ここに私は著者の潔さを感じ、好感を持ちました。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)
