大人の本棚・こどもの本棚

からすのパンやさん

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森の中にあるカラスの町のパン屋の家に、4羽の赤ちゃんが生まれました。子育てに忙しいお父さんとお母さんは、パン屋の方がおろそかになり、お客さんは減ってしまいます。しかし、4羽の子どもたちは元気に育ち、子どもたちのおやつ用のパンがおいしいと口コミで広がると、少しお客さんが増えてきました。大きくなった子どもたちも手伝うようになり、家族で考えて素敵な変わった形の楽しいおいしいパンをどっさり作ったので、客が客を呼び、評判のパン屋となりました。

作者のおはなしシリーズの中で、最も人気のある1冊です。圧巻は、「とってもすてきな、かわったかたちの、たのしいおいしいパン」が描かれている頁です。この本を読む子どもたちはこのページに目を見張り、個々のパンについていろいろなことをお話ししてくれるでしょう。

1973年の本なのに、全く古さを感じさせません。その後2013年に、4羽の子どもたちが大きくなってそれぞれ飲食店を開く『からすのおかしやさん』『からすのやおやさん』『からすのてんぷらやさん』『からすのそばやさん』が刊行されています。物語の作り方もうまく、商売の基本が描かれているように思います。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)

 

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