大人の本棚・こどもの本棚

日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集(池澤夏樹=個人編集 日本文学全集08)

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本書は、池澤夏樹が編集を務めた日本文学全集の全30巻のうちの第8巻であり、平安時代から鎌倉時代にかけて成立した4つの説話集から、105篇の説話を訳して収録したものです。

説話というとお説教を含んだ昔話のように思いがちですが、本書から受ける印象はそのようなものではありません。特に、町田康氏による宇治拾遺物語の現代語訳は、とても大胆で、面白くて、過剰で、下品で、馬鹿馬鹿しく、ユーモアにあふれており、現代にも通じる人間の欲望や愚かさを鮮やかに浮かび上がらせています。これは、どうしようもない人間の性(さが)を書いた、大人のための物語であると思いました。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)

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