白地の表紙には、黄色とオレンジ色のオーナメントで飾られたクリスマスツリーが輝いています。
ページをめくると、温かみのあるオレンジ色の背景に黒を基調としたやわらかな絵が描かれていて、平穏なクリスマス・イブの光景が広がります。
構図はとても斬新で、家の中の様子が見開き一面に断面図で描かれていて、まるで舞台を見ているよう。

クリスマスの晩、プレゼントが待ち遠しくて眠れない子どもたちは、クリスマスツリーにさわってお願いをすることにします。ベッドを抜け出し、両親の寝室の前をぬき足さし足で通り過ぎ、ドキドキしながら居間へ…。
暖炉の前で子どもたちが目にした光景は、オレンジベースに黄色の二色だけで表現されていながらとても鮮やかで、窓の外からの幻想的な聖歌の歌声が本当に聞こえてくるようです。

クリスマスを待つ子どもたちの喜びと、キリスト教文化圏におけるクリスマスの夜の静かで厳かな雰囲気が伝わってくる 素敵な絵本です。

推薦者：有本　教子（新潟県立図書館司書。こども図書室担当。２女１男の母。）

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