本書は鳥類学者である著者が行っている様々な鳥類研究を紹介したものです。絶海の孤島での鳥研究に対する苦労話から、鳥の住む森林や鳥以外の動物の話、生態系の保存の実践と言えるネズミやヤギの駆除の話、新種発見発表の失敗談など多岐にわたっており、鳥類研究とはけして鳥類だけではない様々な生物を含むダイナミックな環境の研究であることを感じさせてくれます。

書名から推測されるように、本書の面白さは著者の語り口にもあります。著者は私達の日常生活に身近な事柄を少しふざけた口調で盛り込みながら鳥類研究の魅力を語ってくれていて、読者は親近感を持ってそれぞれのエピソードを読むことができます。書名とは裏腹に、著者の鳥類に対する強い愛情を感じる１冊です。

推薦者：足立幸子（新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。）