大人の本棚・こどもの本棚

まんぷく寺でまってます

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佐渡の豊かな自然と、江戸時代から約400年の歴史をつなぐ佐渡金山を背景に、お寺の跡継ぎ息子の裕輔(ユウスケ)が、周囲の人たちとの関わりを通じて成長していく物語です。

二学期はじめの席がえで、裕輔は美雪(ミユキ)と隣の席になります。美雪はお父さんを交通事故で亡くしてから、クラスの誰とも話さなくなり、心を閉ざしていました。マンガを描くことが美雪と共通の趣味であることに気づいた裕輔は、マンガを通して美雪の心に寄り添い、美雪も心を開いていきます。

家族や檀家の人々からの期待を感じながら、マンガ家になりたいという将来の夢との間でゆれうごく裕輔の気持ちが丁寧に描かれていて、様々な場面で発せられる裕輔の心の声に共感し、物語の世界に一気に引き込まれていきます。

裕輔や美雪、そして周りの人たちが織りなす日常は、やさしい時間が流れていて、読んだ後にあたたかな気持ちになる物語です。

推薦者:有本 教子(新潟県立図書館司書。こども図書室担当。2女1男の母。)

新潟県立図書館のホームページにBSNキッズプロジェクトの「大人の本棚・こどもの本棚」で紹介された本のリストが紹介されています。こちらもどうぞご利用ください。

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