大人の本棚・こどもの本棚

探検家とペネロペちゃん

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探検家でノンフィクション作家でもある角幡唯介さんの最新刊です。

角幡さんは、開高健ノンフィクション賞や大宅壮一ノンフィクション賞、また新田次郎文学賞、大佛次郎賞や梅棹忠夫・山と探検文学賞などの名だたる賞を受賞していますが、それらのイメージで読み始めると、戸惑うかもしれません。なぜなら冒頭「私には異様にかわいい娘がいる」という章から始まり、「純粋に客観的にかつ公平的基準からして私の娘は異様にかわいい」と娘にメロメロな様子が書かれているからです。

この本には、妻の妊娠が分かってから出産までの心情や、出産に立ち会った状況、そして子育てや子どもの成長の様子が、探検家と父親、両方の視点で綴られています。

文中に「宇宙はすべて二元的な対立物によって構成されているのだ」とあり、例えとして、生と死、善と悪、太陽と月、男と女などが挙げられていますが、娘を持った男(父親)の気持ちが私にも少しだけ理解できた気がします。そして読み終えると「親バカだっていいじゃない」「親バカ ばんざーい!」と叫びたくなる・・・のは私だけでしょうか!?

推薦者:有本 教子(新潟県立図書館 司書。こども図書室担当。2女1男の母。)

 

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