SDGs de はぐくむコラム

幼児期の終わりまでに育ってほしい「10の姿」

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暑い!!! 連日、真夏日・猛暑日が続いています。皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 6月28日に新潟地方気象台から梅雨明けしたとみられると発表されました。1951年統計開始以降で6月に梅雨明けするのは初めてとのこと。平年より25日も「早すぎる」状況です。これから始まる夏休みを前に、大人は早くも夏バテ気味かもしれませんね。

そんな暑い日が続く中、新潟県立幼稚園で運動遊びの指導をしてきました。
子どもは元気です。
鬼ごっこが大好きです。「減らし鬼」を1回では終わらず、リクエストに応えて繰り返すこと4回。もちろん鬼役は私です。皆を捕まえなければ終わらないので、4回目にはボーッとしてしまいました。

その後は、跳び箱を使って体支持系の運動をしました。手をついて腕の力で身体を持ち上げ、台に登りジャンプして降りたり、教員が補助をしながら開脚跳びをしたりしました。日常的ではない動きの時間が続きます。

1時間ほど遊んだ後、「楽しかった」の声と共に終了です。
運動遊びは、体力アップや技能習得の時間だけと考えられがちになりますが、幼児期の終わりまでに育ってほしい「10の姿」を意識しながら進めています。
「10の姿」とは、文部科学省・厚生労働省が示す「幼児期の終了までに育ってほしい幼児の具体的な姿」の総称です。

具体的には

①健康な心と体
②自立心
③協同性
④道徳性・規範意識の芽生え
⑤社会生活との関わり
⑥思考力の芽生え
⑦自然との関わり・生命尊重
⑧数量・図形、文字等への関心・感覚
⑨言葉による伝え合い
⑩豊かな感性と表現

です。
これらを踏まえ、幼児教育と小学校教育の接続・連携強化を図っています。

さて、使用した2台の跳び箱の写真を見てください。この跳び箱を子どもに片付けてもらいます。
ここで問題です。跳び箱の特徴や違いをいくつ見つけられますか?

特徴:台形、上から1・2・3・4下は5、木でできている、上に白い布がある、重いなど
違い:高さ、大きさ、木枠下の色(黒・黄)、数字の大きさなど

片付けるには、上の1番から順番に2人組で外して5番までを運びます。今度は下の5番から先に置いて1番まで重ねていきます。外した順番と置く順番を入れ替えなければ上手くいきません。それも2種類あるから大変です。
この片付ける活動を通して「10の姿」を意識すると⑦自然との関わり・生命尊重 以外が全て含まれています。
特に
⑧数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚:跳び箱の特徴(台形など)や違い(数字など)を認識する。
③協同性:1人では持てない台を2人で協力して運ぶ。
⑥思考力の芽生え・⑨言葉による伝え合い:どの順番でおいたら良いかを考え伝え合う。
このように、子どもは跳び箱の特徴や違いを考えながら片付けをします。
この片付けは難しいし、時間もかかります。 そのため、片付けのヒントは残しておきます。それは、5段目を使用せずに残しておくことで5の上は4、4の上は3、3の上は2…と数字を順番にそろえやすくし、木枠下の色(黒・黄)や数字の大きさに合わせることで混合しないようにしています。ちなみに、数字は片側しか印されていないので、ここでも苦労します。

幼児期は遊びを通して様々なことを経験し、考え、身につけていきます。遊ぶだけではなく、片付けることも大いなる経験となります。
お子さんの育ちを見つめるためにも、時間に余裕を持って接してみてください。子どもは大人でもビックリするくらい新しい発見を見せてくれます。その発見は「10の姿」の何を見つけたのかを考えるのも大人の楽しみになります。

私の新しい発見は…。「そこ、ごそごそしないように!」と学生に話したら、
「?????? 何ですか? ごそごそ って」
「ごそごそ」は三条弁!? ⑨言葉による伝え合い が上手くいきませんでした。

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
7月16日は、伊藤巨志先生 のお話をお楽しみください。

この記事のWRITER

伊藤巨志(三条市在住 新潟県立大学人間生活学部子ども学科 教授)

伊藤巨志(三条市在住 新潟県立大学人間生活学部子ども学科 教授)

1964年、三条市生まれ。日本体育大学大学院修了、新潟大学大学院博士課程修了。子どもの身体発育発達学、運動遊び、健康教育を専門に研究。県立自然科学館で「忍者アトラクション 出現!とやの城」を監修するなど、遊びの中で運動を身につける「遊育」を推奨。現在:県立大学人間生活学部子ども学科長。日本体育学会、日本発育発達学会などに所属。
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