SDGs de はぐくむコラム

防災・減災からレジリエンス(しなやか)なまちを考える

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突発的な豪雨や台風など水害が多くなる季節になってきました。近年は、水害に限らず、毎年のように全国各地で自然災害が頻発し、甚大な被害が発生しています。
台風の大型化などは気候変動の影響を受けていると言われており、今後も同じような状況が毎年発生することは避けられないでしょう。
そうした時に、私たちはどのように行動するとよいのか。気候変動に適応していくための一つとして、頻発する災害に対する備え、防災・減災の取り組みが大切になってきます。
今回は、防災・減災などに関する取り組みをいくつかご紹介します。

 

災害ボランティアをコーディネートする

「2015年(平成27年)9月・関東・東北豪雨」では、鬼怒川が決壊して、広範囲で氾濫しました。当時、私も新潟県が実施するボランティアバスのコーディネートの手伝いで、栃木県に行き、現地で泥かきをしました。
このように大きな災害が発生すると「災害ボランティア」が注目されます。特に1995年(平成7年)に発生した阪神淡路大震災では多数のボランティアの手で緊急支援活動が行われ、後に「ボランティア元年」と言われるようになりました。

ただ、ボランティアを希望する人たちにたくさん来ていただいても、どこでどんな困りごとがあるのかがわからないとうまく繋げられません。また、ボランティアに手伝ってもらいたい被災した方々もバラバラにボランティアが来られると対応が大変になります。
そこで、社会福祉協議会などが中心となって災害ボランティアセンターを開設して、被災者とボランティアのマッチングがされています。
新潟県では、県の社会福祉協議会などと協働して、「新潟県災害ボランティア調整会議」という枠組みを作っています。調整会議では、各市町村の災害ボランティアセンターの運営支援や、被災者のニーズを把握し、ボランティアをマッチングする役割、災害支援コーディネーターを養成するなどの取り組みを行なっています。

 

学習で防災を考えるきっかけをつくる

新潟県では、公益社団法人中越防災安全推進機構と協働して、平成16年10月に発生した新潟県中越大震災を始めとした各災害の経験や教訓を次世代に伝えるための「新潟県防災教育プログラム」を開発し、それらの実践も含めて「防災教育switch」というウェブサイトで発信しています。
防災教育を通じて、「自分の命を守れる」「災害を理解できる」「誰かの役に立てる」ことを目指しています。
また、NPO法人ふるさと未来創造堂では、「こども防災未来会議®」という、防災・減災について学んだ子どもたちが学習成果の発表や交流をするほか、防災かべ新聞コンクールや防災文化祭といった取り組みを行なっています。
2022年度のかべ新聞の募集も9月上旬から始まるので、挑戦してみるのもいいですね。

 

防災・減災につながるさまざまな取り組み

今回ご紹介したのはほんの一例に過ぎません。ICTを活用して、避難者に必要な物資を届ける「スマートサプライ」、緊急時だけでなく、復旧/復興期に必要な社会的な活動・事業に資金を届けるための災害時のクラウドファンディングなどさまざまあります。

ただ、SDGsと防災・減災にはどのような関係があるのでしょうか。
1つ目は、災害に強く、しなやかな(レジリエンス)持続可能なまちづくりという観点、
2つ目は、発災時に誰も取り残さないという観点があります。

1つ目は、今回、紹介したような平時からの防災教育で備えていくこと、発災した際にはボランティアとうまく繋げることで復旧を早めること。他にも建物の耐震化を進めることなど、災害が起こっても被害を広げない、大きくしないようなことが大切です。
2つ目は、今回、あまり触れられませんでしたが、実際に災害が発生すると困る人たちはたくさんいます。避難所まで歩いていけない足が不自由な方、ペットと暮らしていて避難所に入れない方、停電が発生して医療的ケアの継続に危険が生じる方など。いわゆる健常者の目線だけで捉えていてはいけません。誰もが命を守れるようにするために、地域で誰がどんなことに困るのか知っておくことは大切です。

では、日々の暮らしで私たちがまずできることは何でしょうか。家庭においては、ハザードマップをきちんと見て、災害時にどのような状況が起こりうるかを把握し、家族で避難行動を確認しましょう。もちろん、防災グッズの日々のメンテナンスも忘れないようにしてください。

<参考>

・新潟県災害ボランティア調整会議
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kenminseikatsu/1294952497696.html

・防災教育switch
http://furusato-bousai.net

・こども防災未来会議®
https://www.furusato-mirai.org/こども防災未来会議2022/

・スマートサプライ
https://smart-supply.org

   

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
8月6日は、石本貴之さんが登場します。お楽しみに!

この記事のWRITER

石本貴之(三条市在住 地域づくりコーディネーター)

石本貴之(三条市在住 地域づくりコーディネーター)

1983年、大阪府生まれ。滋賀県立大学大学院環境科学研究科を卒業後、民間調査会社、環境省の情報拠点「地球環境パートナーシッププラザ」を経て、縁あって三条市に移住。新潟県内を中心に市民活動やソーシャルビジネス、SDGsを軸とした持続可能な地域づくりをサポート。一男二女のパパ。 現在:特定非営利活動法人まぢラボ 代表理事、一般社団法人全国コミュニティ財団協会 事務局長、カードゲーム「2030 SDGs」&「SDGs de 地方創生」公認ファシリテーター、総務省「地域力創造アドバイザー」など。
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