あれから20年・・・
2004年に新潟県中越地方を震源として発生した地震について、私は大きな被害を受けたわけではないのですが、よく覚えています。
我が子が小さかった(4歳と1歳)こともあり、震源地から離れた糸魚川に住んでいても、恐怖と不安を体験したのを昨日のことのように覚えています。寝る時もすぐ避難できるように家族で話したことや非常持ち出し袋に紙おむつ等をたくさん詰めたこと・・・そんなことを思い出します。その後 私は自分の読み聞かせの会の日に、消防士の方から幼児がいる家族の避難方法や救急法を学ぶ講座を毎年企画し、消防署見学などと合わせて開催してきました。
今回は近年 出版された「子どもと一緒に学べる防災に関する本」を紹介しようと思います。
『一生つかえる!おまもりルールえほん ぼうさい』/Gakken
山村武彦 監修 2022年3月初版
こちらの本は 幼児からでも防災について学べるように、35の教えをたくさんの絵入りで紹介しています。「ぼうさい」って何?から始まって、災害が起きたら慌てないようにと〈じゅんびのルー
ル〉、自分の命は自分で守るためにと〈こうどうのルール〉、2段階で学べるようになっています。
「一生に一どのさいがいが あした おこるとおもってじゅんびをしよう」という項目から始まるのが印象的でした。今は日本中どこに居ても、何が起こるかわかりません。地震だけでなく突然の天気の変化でゲリラ豪雨となることもあります。
まずは心構え!
もしも…を考えておくことが大事だということを小さい時から分かる本です。
最後には大人向きの解説や自分自身を危険から守るための体勢「ぼうさいポーズ」や「ひじょうもちだしぶくろ」の解説も載っています。また 全ての漢字にふりがなが付いているので、子どもがひとりでも読むことができるし、漢字が得意でない人でも読むことができる本になっていると思います。
『日本防災ずかん』
野上健治 監修 おおつかのりこ 文 あかね書房 2024年1月初版 (全4巻)
こちらのシリーズは小学生以上の子どもと読んで考えてほしい本です。
全4巻で自然災害や人為災害(じんいさいがい)について、助け合う大切さや災害ボランティアについてまで学ぶことができる図鑑です。それぞれの災害がどうして起きるかを学び、日本人にとっての防災の歴史も知ることができます。現在日本で災害が起きた時に関わる行政や専門機関の役割も載っていました。1巻目の「自然災害・災害対策・減災・そなえ」にはジオパークについて分かるページもありました。4巻目の巻末には「読書案内」と称し防災を自分のこととして捉えることができる読み物も紹介されています。
防災関連の本は読むと心配になる子どももいます。
しかし、知っておくことで自分を守ることができ、それが家族を守ることに繋がり、もっと大きく考えると自分の住んでいる街を守ることになるのです。その部分をぜひこの機会に周りの大人と一緒に考えてほしいです。何でもない普段の生活を過ごしている時に、みんなで考えることが防災や減災の
はじめの一歩 だと思います。
他にも、
被災時に家にあるものですぐに作って役に立ち工作を紹介する、
『つくって役立つ!防災工作 水・電気・ガスが使えないくらしを考える』(学研プラス 2021年2月初版)や、
東日本大震災直後から4日間を自分の体験から描いた読み物、
『ぼくんちの災害日記』(佐々木ひとみ 作 新日本出版社)などがおすすめです。
怖い・心配だけでは自分の命は守れません!
ぜひこの機会に防災関連の児童書などを大人も読んでみてください。
そして 周りのこどもと話してください。
防災や減災については日々 対応が変化するものでもあります。
できるだけ 新しい本を読んで、新しい知識で身を守るようにしましょう。
何か起きた時に、被害が最小限で済む街づくりをみんなで考えましょう。
* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。10月26日は、絵本でSDGs推進協会代表の朝日仁美さんです。お楽しみに!