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ドイツで生まれたグリム童話

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グーテンターク!お元気ですか!

新型コロナウィルス第6波が猛威を振るっている中、小1の孫は家の中でのゲームやビデオ、読書に飽きたようで、将棋に誘ってみました。「はさみ将棋」から始め、「回り将棋」、「山崩し」(小さい頃の我が家では「ガッチャン」と言っていました、70年前です)、自分の駒を好きなところに置く遊び方も考えました。意外と面白がっていました。

1歳7か月の孫は、兄と一緒に布団の上で前回りをしようと…。しきりと膝を曲げ伸ばししてお尻を上げようとしているのですが…なかなかうまくいきません。ついみんなで笑ってしまいました。

日曜日、新潟には珍しく青空が広がりました。そこで家族みんなで前の空き地に出て周りの雪を集め、そり用の滑り台を作りました。うっすら汗をかきましたが、孫たちが楽しそうにそり遊びをしている姿を見ると疲れも吹っ飛びました。ともかくスティホームを何とか楽しくと知恵を絞っています。

ところでドイツの緯度は札幌より高いので、冬はそれなりの「寒さ」と「長さ」があります。しかし、一番きつかったのは「暗さ」です。日の入りは午後3時半頃、日の出は午前8時半頃です。17時間は暗いのです。それでも健康のためにと夕方には厚着をして散歩をする姿をよく見ます。家を出て自然の中に身を置くことを重視します。今年のバカンス計画もこの頃始めます。ともかく太陽が恋しくなります。その気持ちはよくわかります。青い空に出会える場所を探します。一番人気は地中海、次はスペイン、アフリカです。私たちもグランカナリアに一週間ほど行ってきました。そこでは観光をしないのです。海辺に出て横になり、何もしない贅沢な時間です。ひたすら太陽とお話をし、心地よくまどろむのです。もちろん時々ビールなど飲みながら。私も大瀧詠一さんの歌など口ずさみながら…。

さて、ドイツに3年間いて感じたことですが、自立のために小さい子を(1歳ちょっとくらいから)自分の部屋で寝かせるためにお父さんやおじいちゃんが昔話を語ったり本を読んであげたりします。女性は家事で忙しいので男性やおばあちゃんの出番です。そんな時「グリム童話」が活躍します。

ということで、今回の本は「グリム童話全集~子供と家庭のむかし話~」です。

「グリム童話全集~子供と家庭のむかし話~」シャルロット・デマトーン 絵 橋本孝・天沼春樹 訳  西村書店

ところで「グリム」とは何でしょう?それは「苗字」なのです。「小林童話」「佐藤童話」という感じですね。兄弟で編集しました。兄はヤーコプ・グリム〈1785年生〉、弟はヴィルヘルム(1786年生)、1歳違いの仲のいい兄弟でした。

「としよりのおじいさんと孫」(78番)という話があります。おじいちゃんと両親そして4歳の孫が食事をしています。おじいちゃんは年を取り、手が震えだし、皿を落として割ることが多くなり、スープもこぼして床が汚れます。そこで、奥さんはおじいさんに木のお皿を用意し、部屋の隅に座って食べるようにさせました。ある日、子どもが木を盛んにくりぬいていました。「何を作っているんだい?」と父親が聞きます。すると「お茶碗を作っているの。お父さんとお母さんが歳をとったらこの茶碗をあげるの」と答えました。これを聞いた両親は顔を見合わせしばらく下を向き、その晩からおじいさんはまた元の場所で食事をするようになりました。私たちの知らないグリム童話が実はたくさんあるのです。

はぐくむコラムはBSNラジオ 毎週土曜日午前10時からの「立石勇生 SUNNY SIDE」のオープニングナンバーの後にお伝えしています。2月12日は倉品さんのお話をお楽しみください。

この記事のWRITER

倉品章(三条市在住・読書アドバイザー)

倉品章(三条市在住・読書アドバイザー)

1949年・長岡市生まれ。新潟大学卒業後、県内小学校に勤務。ドイツ・ハンブルグ日本人学校長、三条市立裏館小学校長など国内外の教育現場を経験。定年後「あきジィ」の愛称で読み聞かせボランティアを実施。中高年向けに「読書のススメ」講演も。現在:JPIC読書アドバイザー、三条市社会教育委員など。
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