はぐくむコラム

不登校の子の親の愛

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“居場所開放”という仕事柄、不登校のママとお話する機会がよくある。お話をお聞きすると、「なぜ、学校に行きたがらないのか理由がわからない。友達関係も普通にうまくやれているし、何か大きな出来事があった訳では無いよう」という方が多い。

初めは、多くの方が学校に行って欲しくて、子どもとバトルをする。しばらくすると、目の前の子どものかたくなな姿を見て、自分の中での母としてのいたらなさや不甲斐なさや世間体、既存の価値観からくる葛藤に気持ちが揺さぶられ、どうしたらいいのかわからなくなる。自分を責めたり、子どもを責めたりを繰り返し、本当にどうしたらいいのかわからなくなる。毎日の学校とのやりとり、近所の人の目、おじいちゃんおばあちゃんからのプレッシャーなど、自分達親子のことから離れた部分との関係の難しさも生まれてくる。

でも、出会う多くのママ達を見ていると、年月を経て、最後には子どもの味方であろうとする。強いな〜って思う。いや、強くなるのだ

今は20代半ばになり社会人になったうちの子も、そんな時期があった。週に一回月曜日休む、そんなペースで卒業した。どれだけがんばって来たのだろうかと、今更ながらに思う。

なぜ、学校に行きたくないのか、その時はよく説明してくれなかったけど、何年か後にふとした話の流れから、いろいろ話してくれた。

驚いたのは、本人は、落ち込んでいた時期のことは、忘れてしまったらしく、社会人になってしばらく経った同級会の時「先生達が口を揃えて私が元気になって本当に良かった!と、言うんだけど、私、そんなにすごい状態だった?!!えっ?えっ?ってなったよ」と。それを聞いて、こっちが驚き「えっ?えっ?」となった。

意外と、本人にとっては普通の状態で、周りが戸惑い腫れ物を触るような感じになっていたのかもしれない。確かに今の不登校の子に会うと、自分らしく過ごし、マイペースで落ち着いていたりする子も多い。

「このままでいいのだろうか?」という思いは、ある時期を経て、親も落ち着き始めた頃、親も子も、共通課題になるようだ。
そこで、今ある様々な民間の学校やフリースクールに通い始める。共に一歩を歩み始める。

親は子に親にしてもらう。産むだけじゃなく、産んでからも子どもに起こる様々な出来事で親として、人として成長する。愛しているからこそ、苦しい。愛しいからこそ、葛藤する。その中で見えた道は、その中でしか見えなかった道だ。そしていつか一緒に笑えるように、ただただ側に居続ける。

「生きているだけでいい」

最後に、そう、気づかせてくれたのは、あなただ。

この記事のWRITER

新保まり子(新潟市在住・多世代居場所事業代表)

新保まり子(新潟市在住・多世代居場所事業代表)

1970年新潟市生まれ。子育て中の孤独感から1999年、育児中のママとともにママの心が元気になる毎日型の居場所・子育て応援施設「ドリームハウス」を新潟市西区に設立。2017年、多世代交流、障がい者の居場所確保をめざす企業も設立し、様々な地域で居場所作り応援。 2016年 県弁護士会 人権賞を受賞。現在: NPO法人がばじこ理事長 ドリームハウス代表 子守唄シンガー
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