はぐくむコラム

人のそのまんまの光

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数年前、初めてスリランカに行ったとき。山全体がピンク色の水晶 “ローズクォーツ”で覆われている名所、ローズクォーツマウンテンを訪れました。その途中で有名なお坊さんが通りすがりの私達に声をかけてきました。「日本人の心は疲れているから、日本人の心が元気になるお寺を作ってくれませんか」と。一緒にいた友人は、驚いたことにすぐに「はい」と答えていました。

そして、日本に帰国してすぐに、全国から1,000円ずつの募金を一万人分集める「ローズクォーツマウンテンプロジェクト」が動き出しました。それまでの人生でも、途方も無いチャレンジをし続けてきたその彼女だからこそ、その不思議なご縁が繋がったのかな…と、私は側で見続けていました。

募金のゴールは、約一年後の9月8日と決めました。というのは1951年のこの日、スリランカのジャヤワルダナ元大統領が、戦後日本分割占領案が浮上した際、サンフランシスコ講和会議で素晴らしい演説をし、日本が4国に分断されるのを免れた日だからでした。そのスリランカに感謝すべき日、本当に1,000万円が集まりました。想いが叶う、奇跡のような瞬間を私は目の当たりにしました。

その一年後、スリランカのローズクォーツマウンテンに誰でもが訪れることができる、みんなの家「瞑想センター」を建てました。最後の仕上げのために、彼女とともに2度目のスリランカへ。オープニングセレモニーの2週間前に着き、特に彼女と二人きりで過ごした時間の中で、大きなことに気づきました。

ずっと彼女のことを羨ましく思っていた私。いつも誰もが無理だと思うような、とんでもない目標に向かって、誰がなんと言おうがひるまずそれにまっすぐに挑み、それを実現していく。彼女自身は「でも、夢中になって周りが見えなくなるんだ。だから、懐中電灯のような感じででまっすぐにゴールを照らすけど、周りは真っ暗で。」と言います。確かに周りには、彼女についていけない人がいたことも聞いていました。その彼女の言葉を聞いて私は、「私は周りを気にしすぎて進めないから、ずっとあなたが羨ましかった」と、初めて思いを打ち明けました。その言葉に彼女は「そんな自分だけど、”違う光り方”があるんじゃないかと思うの」と。私は、なるほど…と思いながら聞いていました。

その後、二人同時に「あっ」と声を上げました。彼女は「私自身が光っていて、ちゃんと周りを照らしていたんだ!」と。私は「私も見えた!今まで周りのみんなの光は見えていたけど、自分の光はどうしても欠けているように思って生きてきた。でも私も100%の光であるのが見えた」と。不思議なことに、結果的に二人は自分も周りも光っている景色。同じものが見えたのです。

そんな不思議な体験をしたスリランカ。

今、現実がどうであろうと、その人のそのままの光をその人自身が感じられたら。そして周りの人が感じてくれたら、とても生きやすくなるのではないでしょうか。

生まれたばかりの赤ちゃんの神々しさも、そんなところから来ると思うと、なんだかとても腑に落ちるのです。

この記事のWRITER

新保まり子(新潟市在住・多世代居場所事業代表)

新保まり子(新潟市在住・多世代居場所事業代表)

1970年新潟市生まれ。子育て中の孤独感から1999年、育児中のママとともにママの心が元気になる毎日型の居場所・子育て応援施設「ドリームハウス」を新潟市西区に設立。2017年、多世代交流、障がい者の居場所確保をめざす企業も設立し、様々な地域で居場所作り応援。 2016年 県弁護士会 人権賞を受賞。現在: NPO法人がばじこ理事長 ドリームハウス代表
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