SDGs de はぐくむコラム

免疫力を高めるために

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12月に入り、日に日に冬らしくなってきましたね。季節の変わり目は体調を崩しやすく、風邪を引かないように気をつけている方も多いのではないでしょうか。
今年は『免疫力と腸内環境』がテーマの講演依頼が多く、今回は【腸活】についてお話しをしていきたいと思います。

私たちの腸に存在する1000種類・100兆個以上もの腸内細菌は、食べ物を消化・吸収する以外に、ビタミンやホルモンの生成・不要なものの解毒・アレルギー発症や肥満などにも深く関わっています。その中でも注目されているのが「免疫力」です。体の免疫細胞の約70%が腸に分布しているため、免疫力を高めるために腸内環境を整えることは大切です。
また、『脳腸相関』と言って脳と腸は密接につながっているため、ストレスがかかると腹痛がおきたり、逆に便秘気味だとイライラしたり、心の状態を左右するとも言われています。

私たちのおなかにはどんな腸内細菌が存在するのでしょうか?実は、人それぞれ腸内細菌の種類も数も違うため、他の人が「これを食べるとおなかの調子がよくなった!」と勧める食材が、自分のおなかの腸内細菌のえさになるとは限りません。同じように「腸活にはこの乳酸菌!」とCMや広告でみかける食品も、自分のおなかに合うかは食べてみないと分かりません。
まずは、頭で考えるより自分の体に目を向けて、調子はどうか見つめてあげることが大切です。腸内環境の良し悪しは、毎日の排便で分かります。においが少なく形の良い「バナナうんち」であれば、腸内環境が良好な証拠です。大切な食育の一つとして、毎日のうんちは自分の体調のバロメーターだということをぜひ親子でも話し合ってみてくださいね!

では、どんな食べ物を食べたら腸内環境を整えることができるかをお話します。
まず、私たちはどんな土地に住み、どんなものを食べてきたかをさかのぼるところから始めましょう。農耕民族だった日本人は、古くからお米や芋、野菜、豆類、きのこ、海藻などを中心に、納豆や味噌、醤油、甘酒などの発酵食品をうまく摂取してきたため、長い年月の間に日本人の腸には食物繊維を好む腸内細菌が多く棲みつくようになりました。日本人はやはり和食が合っているのです。

しかし、現代は食生活の欧米化が進み、脂肪の多い料理や揚げ物・菓子パン・スナック菓子・ファーストフード・洋菓子等の摂取が増え、人類が進化の過程で身につけてきたものが、食生活の変化に順応できず、体の不調が起こりやすくなっていると言われています。
炊き立てのご飯の美味しさ、ほっとする味噌汁の味、旬の野菜の甘味・・・昔から大切にされてきた和食の良さを見つめ直すことが、腸内環境を整え免疫力を高め心の健康へとつながっていきます。

最後に、免疫力を高めるために大切なことをもう一つお伝えします。それは、笑うこと。
笑うとナチュラルキラー細胞とよばれる免疫細胞が活性化し免疫力を高めます。「あれを食べないと」「これは食べちゃいけない」などのストレスは体にはよくありません。食事はおいしく!食卓は楽しく!ここを大事に笑顔があふれる溢れる食事の時間を過ごしてほしいと思います。

 

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
12月9日は、管理栄養士のますがたみきさんです。お楽しみに!

この記事のWRITER

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

1981年 長岡市生まれ 短期大学専攻科卒業後、長岡赤十字病院で管理栄養士として6年間勤務。子ども達の成長と母親の育児に寄り添うため自身が考案した「食能」をキーワードに「はれいろごはん」を設立し、おやつ開発や料理教室を展開。2児の母親。 長岡市委託事業として乳幼児の健診・栄養相談・特定保健指導なども担う。
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