SDGs de はぐくむコラム

“新潟ブルース” ご当地ソングの歌碑を訪ねる

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この番組でもADとして活躍している学生「うがちゃん」が、卒業に向けた映像制作活動をしています。「新潟ブルース」という歌を作られた、山岸一二三さん・之起さんのご兄弟にインタビューし、私も指導教員として同行しました。映像作品はまだ完成していませんが、先行して、この曲にまつわる話を少し書いてみます。

「新潟ブルース」は1967年(昭和42年)、美川憲一さんや黒沢明とロス・プリモスによって大ヒットした曲です。新潟のご当地ソングとして広く知られ、多くの方々に親しまれています。この曲は、時計店で働きながらバンド活動をしていた山岸兄弟が作詞・作曲し、新潟の名所を巡る情緒ある歌詞で新潟のイメージを表現しています。

山岸英樹さん(現在は、「之起」さん)は、リンガースというバンドとして、新潟駅前のダンスホール「浅草」で、この曲を歌っていました。ここで演奏していたオリジナル曲「新潟ブルース」が、レコード会社によって発掘されレコード化されます。美川憲一さんのレコードでは、B面に「信濃川慕情」という曲が収録されました。その後、リンガースも上京し、「恋はふりむかない」でデビュー、さらに「山岸英樹とサムソナイツ」にグループ名をかえて、コーラスグループとして活動していました。

グループ解散後、山岸兄弟は新潟で曲作りを続け、「加茂川ブルース」「亀田慕情」「アイラブユー新潟」「雪の長岡恋の町」「六日町ブルース」「岩室ブルース」など、多くのご当地ソングを手がけています。

新潟ブルースに関連する場所としては、新潟市内にある萬代橋や古町通、新潟駅などが挙げられます。特に、新潟ブルースの歌碑は萬代橋の近くにあり、歌の歴史を感じさせるスポットとなっています。やすらぎ堤には、「信濃川慕情」の歌碑もあります。リンガースのデビュー曲「恋はふりむかない」は、2010年、キノコホテルという女性バンドがカバーして歌っていて、デジタル配信もされています。

現代のJ-POPでは、ご当地ソングは少ないですが、Negiccoの「サンシャイン日本海」など、新潟を感じさせる歌詞の楽曲もあります。新潟ブルースのような曲は、地域の文化や歴史を伝える重要な役割を果たしています。親子で歌を通じて地域の歴史を学び、共有することは、子どもたちのアイデンティティ形成に寄与します。これらの楽曲は、次世代に地域の歴史や文化を伝えるための大切な媒体であり、歌いながら親子で楽しむことで、地域への愛着を育む良い機会となりそうです。

  

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
12月23日は、新潟市在住 敬和学園大学人文学部国際文化学科教授の一戸信哉さんです。お楽しみに!

 

この記事のWRITER

一戸信哉(新潟市在住 敬和学園大学人文学部国際文化学科教授)

一戸信哉(新潟市在住 敬和学園大学人文学部国際文化学科教授)

青森県出身。早稲田大学法学部卒業後、(財)国際通信経済研究所で情報通信の未来像を研究。情報メディア論の教鞭を取りながら、サイバー犯罪・ネット社会のいじめ等を研究。学生向けSNSワークショップを展開。サイバー脅威対策協議会会長、いじめ対策等検討会議委員長などを歴任。現在:敬和学園大学人文学部国際文化学科教授。
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