はぐくむコラム

思い出のおむすび

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私の住む長岡市も、すっかり雪景色となりました。そんな中でも息子は仲良しの友達と地元のスポーツクラブに通い、切磋琢磨し合いながら楽しい毎日を送っているようです。

ある日、彼らをスポーツクラブ会場まで送る前に、『頑張って』の願いを込めておむすびを握ってあげました。その時の「うわぁ!うまい!!」「お母さん!元気出た!!」「次もまた作ってね!」と笑顔でおむすびをほおばる姿に、あるエピソードを思い出しました。

ある飲食関連の方と話をしている時に、『子どもの頃に思い出に残っている食べ物』についての話題となり、その方が「泣いている時におばあちゃんが握ってくれたおむすび」と答えたのです。
「きっと他にも美味しい食べ物はあったのだろうけど、思い出すのはそのおむすび。それだけ、食べ物は想いとつながって残り続けるんですね」と。

昨年秋、市内の小学校で【ヒトはなぜ食べるのか・何を食べるのか】をテーマに食育授業を担当させていただいた時、子どもたちから「ヒトは生きるために食べる」「食べるなら栄養があるものがよい」と的確な意見をたくさんもらいました。
「その通りだね。じゃあ、もう一つの視点から考えてみよう。1日に必要な栄養が詰まった錠剤を飲めば、満たされるのかな?」という問いに、子どもたちも「う~ん」と考える顔。

美味しい!嬉しい!と思う気持ちや、体も心も満たされる食事とは何かを、ある方が言った「泣いている時におばあちゃんが握ってくれたおむすび」に触れながら、子ども達と一緒に考えていきました。

食べることは生きること。どう食べるかはどう生きるかに繋がっていくような気がします。食べることに喜びを感じたり、体の栄養だけでなく心の栄養としても食事を楽しんだりすることは、豊かな人生に繋がります。これが、【食能】の一つ『食べる能力』です。

子どもの少食や好き嫌いで悩むこともありますが、食べる楽しさを伝えることは、もしかしたらそれ以上に大切なのかもしれません。

今もスポーツ少年たちは、学校から帰宅してすぐに「お母さん!今日もおむすびある?」と聞いてきます。この子たちが成長する過程で「あのおむすび、美味しかったなあ」とどこか頭の片隅で思い出し、それが何か小さな力になれたならいいなあと、小さな願いを込めながらおむすびを握ってます。

1月9日(土)BSNラジオ「大杉りさのRcafe」あさ9時~放送予定

この記事のWRITER

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

1981年 長岡市生まれ 短期大学専攻科卒業後、長岡赤十字病院で管理栄養士として6年間勤務。子ども達の成長と母親の育児に寄り添うため自身が考案した「食能」をキーワードに「はれいろごはん」を設立し、おやつ開発や料理教室を展開。2児の母親。 長岡市委託事業として乳幼児の健診・栄養相談・特定保健指導なども担う。
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