今年の2月14日、内閣府が主催する「第6回日本オープンイノベーション大賞」で、選考委員会特別賞(大学の知の社会実装に向けて産学官等を繋ぐ人材・組織の取組への表彰)を受賞しました。
「日本オープンイノベーション大賞」は、ロールモデルとなる先導的又は独創的な取組の表彰と発信により、オープンイノベーションをさらに普及させ、我が国のイノベーション創出を加速することを目的として、優れた取り組みを行っている企業・団体・自治体を対象とした全国的な賞です。
このプロジェクトは、子どもや高齢者が“悲惨な事故(フェイタリティ)に遭わない交通社会の実現を目指して、大学と警察が連携した取り組みです。高齢者の運動機能や運転行動、事故データ等を収集・解析・活用して具体的な対策を提案・実行することで、交通事故削減や地域社会活性化等の社会的効果を高め、全国各地に水平展開できる持続可能なゼロフェイタリティ支援ツールの開発を目指しています。
①概要
・子どもや高齢者が“悲惨な事故(フェイタリティ)”に遭わないための交通社会の実現
・大学と警察が連携して、交通社会の課題解決。
・高齢者の運動機能や運転行動、事故データ等を収集・解析・活用して、具体的な 対策を提案・実行。
・交通事故削減、地域社会活性化等の社会的効果を向上。
・最終成果は全国各地に水平展開できる持続可能なゼロフェイタリティ支援ツール の開発。
②目的
・子どもや高齢者を含む交通参加者の安全を確保し、交通事故の発生を削減。
・大学と警察が連携し、運動機能・運転行動・事故データの収集・解析・活用を通じ、具体的な交通安全対策を提案・実行し、地域社会の活性化や持続可能な交通社会の実現に貢献。
・最終成果として、水平展開可能なゼロフェイタリティ支援ツールの開発。
研究室では、事故データの解析や運転者の行動の研究を通じて具体的な対策を提案し、運転支援技術、事故予測モデル、交通シミュレーションなどの技術を開発することで実用的な交通安全支援ツールを開発・提供します。新潟県警察本部は、交通事故の原因やパターンを調査・分析して事故傾向を把握し、対策の根拠を示すとともに、交通安全キャンペーンや教育プログラムを通じて地域住民に交通安全の重要性を広く啓発しています。
このプロジェクトによって、県内での事故多発地点での事故発生数が前年度9件から0件に減少し、交通安全活動では70回を超える取り組みと、900名を超える地域住民からの参加がありました。
そして技術的な取り組みだけでなく、社会的な活動も展開してきました。例えば出雲崎高校の生徒の皆さんとの点灯アクションがそのひとつです。大学生や高校生、地域の皆さんが一緒に夕暮れ時のヘッドライト点灯をドライバーに呼びかけます。その呼びかけにドライバーも応えてもらいヘッドライトが点灯します。みんなが元気に呼びかけるその時間、大学生も高校生も関係なく同じ仲間になっている感覚です。これにより、高校生は大学生を知り、地域を知り、そして活動することの重要性を知るのです。
今後は、大学と警察が連携して「技術と教育によるゼロ・フェイタリティな交通社会の実現」を目指します。そして、世代と地域を超えた取り組み展開したいと思います。
* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。4月13日は、新潟大学人文社会・教育科学系准教授 村山敏夫さんです。お楽しみに!