SDGs de はぐくむコラム

いつも以上に思いやりの時代。「らしさ」から解放されたパートナーシップを

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「ジェンダー」。この言葉に最初に出会ったのは息子が生まれ参加した公民館での子育て講座や「女性学」の一コマだったと記憶しています。おさらいするとジェンダー(gender)とは、生物学的な性別(sex)に対して、社会的・文化的につくられる性別のことを指します。つまり男性は「男らしく・・・強くてたくましい、潔い、リーダーシップをとれる、泣かない」などなど。女性は「女らしく・・・優しくて物静か、きれい好き、料理がじょうずで家庭的」などなど、様々なイメージが皆さんそれぞれの中にあることでしょう。

今は当たり前に聞く言葉だけど、当時はこれまで自分が少し生きにくいと感じていた原因のひとつに「ジェンダー」なんていう名前があったのか!と驚きました。さらに同じような悩みを持っている人も多いことを知りました。昔から子育て中の課題で、夫婦ゲンカの原因になりがちな「家事・育児」分担の不平等にもこのジェンダーが深く関わっています。

あれから25年以上経った今、社会的性別役割分担はどんな風に変わったのでしょう?

世界経済フォーラム(WEF)が国別に男女格差を数値化したジェンダーギャップ指数2021によれば、日本は男女格差が156カ国中120位、G7主要7カ国で最下位という残念な結果が出ています(ため息)。日本の国会議員に占める女性の割合はわずか9.9%で147位、そもそも国のリーダーに女性が少ないのです(がっくり)。この先、いえいえ今、子育てしている人のために、もっと女性が参画できる社会に早くなってほしいと切に感じています。

もちろん、以前に比べたら意識の変わった人も増えましたが、依然共働きでありながら「男は外で働く」女は「働いて帰っても家事育児」という昔ながらのイメージをまだぼんやりと持っている男性もいて、日常で女性に負担がかかっている場合も少なくないようです。家事は誰がしてもいいものです。子育てに関しても出産と母乳以外は夫婦で分担可能なんですよ。

SDGsの項目に「ジェンダー平等を実現しよう」というものがあります。

日本はジェンダーギャップ指数の残念な順位をこのままにしないためにも、ジェンダーが抑圧している様々なことを2030年までに一人一人が意識していくことが重要です。夫婦間のパートナーシップも「男だから・女だから」と性別に捉われることなく、働くこと、家事・育児など、できることをできる人がする、「同質ではないけれど同等」という視点を取り入れてみましょう。「二人で共に生きていく」ことを大切に、「個」としていつも以上に思いやりをもって行動していく時代なのです。

 

4月10日(土)BSNラジオ 朝10時~「立石勇生 SUNNY  SIDE」で放送予定です。

この記事のWRITER

ちゃい文々(新潟市在住。子育て漫画エッセイスト)

ちゃい文々(新潟市在住。子育て漫画エッセイスト)

新潟市生まれ。シングルマザーで二児の母親。1994年、デザインオフィス「アトリエチャイブ」設立。2002年からフリーペーパーに子育てエッセー漫画を連載。コミュニケーションスキルや多様な視点を養う講座を教育関係者や市民向けに実施。虐待防止スペシャリストの知識も活かす。 著書「子育ては、泣き笑い・八起き」(幻冬舎文庫) BSNラジオ「工藤淳之介3時のカルテット」木曜パートナー https://www.chaibunbun.com/
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