今年度も「はぐくむコラム」でSDGsのゴールと絵本を繋げていろいろなことを考えていこうと思っています「絵本でSDGs推進協会」の朝日です。どうぞよろしくお願いします。
早速ですが… 最近、絵本のテーマで気になるものがあります。
それは “性教育“ です。
これまでも出版されていなかったわけではないのですが、近年、このテーマの翻訳絵本が発売され話題になっています。今回はその中かから三冊ご紹介したいと思います。
一冊目は『女の子のからだえほん』です。
こちらの絵本はズバリ題名そのものの内容です!女性器を子どもたちでも分かる様に説明しています。しかし、その説明がやさしく、ぼんやりではなく、医学所並みにしっかりと説明しているのです。
後半は、思春期に起こる身体の変化や、親になることまでもしっかり教えてくれます。
最後には、自分に(自分と相手に)困ったことが起きたらどうしたらよいか、どこに相談したらよいのかまで載っています。
こちらは フランスで出版された絵本です。そして、ユネスコが認定した国際基準の性教育絵本なのです。いろいろな性教育の本が出ている中で、ぜひ、世界基準の本であるこちらを読んでみてほしいです。日本人はどちらかというと、このテーマに対して苦手意識がありますが、他国での教育水準を知って、未来を作る子どもたちには正しい知識を教えてあげたいと思いました。
二冊目は『およげ!ウィリー ちびっこ精子のだいぼうけん』です。
主人公 ウィリーは泳ぎは得意だけど計算が苦手な精子です。
そんな彼が3億の精子が出場する水泳大会に参加しゴールを目指します。この競争は順位を競うものではなく、1着だけをみんなで狙うのです。
つまり・・・受精がテーマの絵本なのです。
可愛い絵で描かれたお話で、いつもの読み聞かせ絵本と同じように読むことができます。
それでありながら、生物学的に自分がどうやって誕生したのかが楽しく学べる絵本です。
たくさんの精子の中から、必死に泳ぎきり勝ち抜いて人間となった私たち。
そんなことを知ると生まれてきた奇跡を実感できるのではないでしょうか?
「わたしはどこからきたの? どうやって赤ちゃんは産まれるの?」
と聞かれたら ぜひこちらの絵本を家族で読んで、そのことについてたくさん話してほしいです。
最後は 『すくすくいのち』です。
日本の作品を最後に紹介します。
こちらは、あかちゃんが産まれてくるまでの280日を描いた作品です。パパとママになる人がどんな風にあかちゃんを待っていたのかが丁寧に描かれています。
妊娠したことが分かった時の産婦人科での一コマは、経験したことのある方々にとって、きっとご自身の時のことと重なって読めると思います。
そして、そこから始まる10ヶ月。ワクワクドキドキしながらみんなで育み、誕生を待っていた様子がこの絵本からわかります。
今 思春期の我が子と対峙しているパパやママがこの絵本を読むと、「あの時の喜び」や「待ちに待ったあの瞬間」を思い出し、悩み解決のヒントが浮かぶかもしれません。
今回は「性教育」や「生命誕生について」がテーマの絵本を紹介しましたが、ここから 人体図鑑や他の生き物の本などを読み進めて、正しい知識を広げていってほしいです。
そして、自分は生まれる前から、こんな大冒険やすごい競争に打ち勝ち人間として産まれてきたことを知ってほしいです。
そのことが分かると、粗末にしていい命や虐げられていい人はいないことも分かるはずです。
* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
5月21日は、朝日仁美さん のお話をお楽しみください。