SDGs de はぐくむコラム

子ども自身の“食を選ぶ“チカラ

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子ども達の生きる力を育むための3つの能力”食能”についてお伝えしています。3つの能力のうち、今回は、「選ぶ能力」がテーマです。

現代の食生活は、好きなときに好きなものを手軽に買えるようになり、便利になりました。一方で、「自分の体のことを考えて、食材や食事を選ぶ」ことは、難しくなったように感じます。

「私たちの身体は、日々食べた物からできています」

この説明を子ども達にする時、とても分かりやすく伝えてくれる絵本があります。

『にんげんはたべたものからつくられる 文・竹村俊子 絵・木月すみよし』(ナート)

 

この絵本は、おばあちゃんから「にんげんはたべたものからつくられるだよ!」と教えられた子どもたちが「じゃあ、おばあちゃん。ハンバーガーばかり食べたら?」「ラーメンばかり食べたら?」と好きなものだけ食べたらどうなるかを聞きます。

ハンバーガーばかり食べたら【ハンバーガンガン】、ラーメンばかり食べたら【めんめんマン】と、その食べ物のキャラクターになってしまうというお話です。

お魚やお肉ばかり食べても、お野菜だけ食べてもダメ。何でも食べることで【すーぱー みらくる うるとら パーフェクトマン】になれるのです。

この絵本を、子ども達が3歳くらいに見せた時に「今日は全部食べられたよ!パーフェクトマンになった?」とよく聞かれたものです。

栄養素はチームプレイで働くため、「これを食べていればいい」という食材はなく、色んな食材を食べることで様々な栄養素を摂取でき、栄養素同士が手をつなぎ合うことで、私たちの体が作られます。

食育の授業では「3色の食材を組み合わせて食べましょう」というお話があります。3色とは、体を作るたんぱく質(魚、肉、卵、大豆製品)の【赤】、エネルギー源となる炭水化物(ご飯、パン、麺など)の【黄】、体の調子を整えるビタミン・ミネラル(野菜、果物、海藻など)の【緑】のことです。この3色を意識することで、日々の食事バランスは整っていきます。

子どもの「選ぶ能力」を育むために、この3色の食材を使って、日々の献立を子どもと一緒に考えてみるのもおススメです。例えば、朝食が食パンの場合、「どんな食材を組み合わせればバランスが良くなるかな?」と子どもに聞いてみます。

「パンは【黄】のグループだから・・・トマトがあれば【緑】がそろうよ!」

「【赤】のグループは肉、魚、卵、大豆だから・・・パンに合うのは何かな?」

などなど、園児や小学生でも3色の食材を理解すると、うまく献立がたてられるようになります。このクイズのような楽しい時間が、いつか子どもが独り立ちをしたときの力になります。

長い人生を元気に過ごし、夢を叶えるためにも『健康な体』が必要です。今の時代だからこそ、「選ぶ能力」が『健康な体』に繋がることを、日々の食卓から子ども達に伝えてあげられたらいいなと思います。

2月15日(土)あさ9時~BSNラジオ「大杉りさのRcafe」放送予定。

この記事のWRITER

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

1981年 長岡市生まれ 短期大学専攻科卒業後、長岡赤十字病院で管理栄養士として6年間勤務。子ども達の成長と母親の育児に寄り添うため自身が考案した「食能」をキーワードに「はれいろごはん」を設立し、おやつ開発や料理教室を展開。2児の母親。 長岡市委託事業として乳幼児の健診・栄養相談・特定保健指導なども担う。
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