SDGs de はぐくむコラム

多職種連携から生まれるもの

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最近、息子が漫画本『ワンピース』にはまり、全巻読み終わったらまた1巻目に戻って、いよいよ11周目に突入したようです。私はまだ読んだことがないけれど、”仲間で旅をする素晴らしさ”や”出会いの大切さ”を息子は熱く語ってくれます。

急性期病院に勤務していた頃、”NST”(ニュートリション・サポート・チーム)のメンバーに入れていただきました。医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、検査技師、言語聴覚士などがチームを組んで専門知識を出し合い、患者さんを真ん中に多職種で一番良い治療方針を決めていくという貴重な経験をしました。一人では上手くいかないことも、チームになると大きな力が生まれることを肌で感じ、今でも当時の様子が強く心に残っています。

現在の【はれいろごはん】の活動は、「子ども達が大人になっても心身ともに健康であるために、専門職の私に今できることは何だろう。どんな環境を整え、どんな地域をつくり、何をバトンとして渡していけるのだろう」という問いが原点となっていますが、フリーランスになった今でも、その答えは「多職種連携」から生まれるものだと思っています。
一人で目標とする山のてっぺんには登れないけれど、同じ軸を持ち、想いに共感してくれる仲間と一緒なら登って行ける気がする。そんな想いから、3年半前に多職種が集まる【はれいろ勉強会】を立ち上げ、今でも定期的に管理栄養士、薬剤師、スポーツトレーナー、看護師、歯科医などその道のスペシャリストの方達と情報交換が続いており、私にとって大きな心の支えになっています。

また昨年から、歯科と連携して子どもの口腔機能の発達を促す活動にも力を入れ始めました。新潟市南区にある【大通り歯科】さんと一緒に、『お口の機能を育てる離乳食講座』を毎月開催し、子ども達が生涯しっかり噛んで・飲んで・おいしく食べることができるように、歯科医✕管理栄養士による多角的な視点でお話をしています。

「赤ちゃんはストロー飲みより先に、コップ飲みを練習させた方が口腔機能の発達によい」
「離乳食開始前の授乳の仕方や体の動かし方が、その後の食べ方につながる」

など、一般的に行われている離乳食指導ではあまり聞かない情報も、歯科と連携するからこそ詳しくお伝えできるもの。今月からは、見附市にある【つるがや歯科クリニック】さんでも同じように講座を開催していく予定で、各地域のお母さんや子ども達の力になれることが何よりも嬉しいです。

漫画『ワンピース』のように、新しい出会いが大きな力となり、より良いものを未来に残せるように、これからも新しい分野での挑戦をし続けていきたいと思います。

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
7月9日は、ますがたみきさん のお話をお楽しみください。

この記事のWRITER

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

ますがたみき(長岡市在住・管理栄養士)

1981年 長岡市生まれ 短期大学専攻科卒業後、長岡赤十字病院で管理栄養士として6年間勤務。子ども達の成長と母親の育児に寄り添うため自身が考案した「食能」をキーワードに「はれいろごはん」を設立し、おやつ開発や料理教室を展開。2児の母親。 長岡市委託事業として乳幼児の健診・栄養相談・特定保健指導なども担う。
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