SDGs de はぐくむコラム

ともだちのつくりかた!?

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3月になりました。
雪の季節が終わり,もうすぐ春ですね。(今年はすでに春 いや,初夏の様な日もありましたが…)
春は入園,入学,進級と生活が変化する時です。新しい環境で,楽しく過ごせるか?大人も子どももいろいろと心配な部分があると思います。
その中で「友達ができるか?」ということをテーマにして、今回は本を紹介していこうと思います。

『ともだちのつくりかた』 たかいよしかず 作・絵 大日本図書

もし子どもたちに「友達を作るにはどうしたらいいのか?」と問われたら,何と答えますか?

大人の社会にもいろいろな人がいます。これは子どもの社会でも同じこと。周りにいるみんなと親友になることは,簡単なことではありません。

この本は,友達を作る前にまず自分のことを自分でよく知っておかないと!と教えてくれます。幼い子でも,自分のことを話すことが苦手な子でも,たくさんの絵から選んで自分のことを見つめ直すことができるようになっています。
自分を再確認して,自分を好きになる。
そこからどんな友達と仲良くしたいのかと考えていく本です。

『さわってもいい?』 はまのゆか 作・絵 めくるむ

こちらは「いやだ」とか「やめて」という気持ちはちゃんと言っていいんだよ。と教えてくれる絵本です。

主人公のたっくんはいとこのうちへ遊びに行きます。いとこのお姉さんたちはカワイイたっくんが来るのを待ち構えていた様子。たっくんが持ってきてくれたお土産のマシュマロを見て,「あっ!たっくんのほっぺ,おみやげのマシュマロみたいだね。さわっっても いい?」と聞きます。たっくんが許可をするとモチモチのぽっぺをつんつんつん。

ここまではよかったのですが、もうひとりのいとこのお姉さんは許可なく勝手につんつんつん。そして、何度もつんつんもちもち。そして最後は・・・!
たっくんの気持ちは楽しいどころか、嫌な気持ちになっていきます。そこからは年上のいとこに「いやだ」と言ったらどうなっちゃう?「やめて」と言ったらどうなっちゃう?と不安になってしまいます。このような子どもの世界では日常に起こりそうな出来事から,嫌な時は「いやだ」と言っていいことを教えてくれます。

自分の気持ちはちゃんと伝えないといけない。年上の人でも、仲良しでも、誰にでも言葉ではっきりと伝えないと伝わらない(理解されない)ことを再確認できる内容です。このことは,自分の心と体を守るために大切なことであると大人にも気づかせてくれます。この絵本を手にした大人はあとがきもしっかり読んで,子どもたちに伝えてほしいです。

最近は子どもを守るためにどのようにしたらよいか,子どもと一緒に学べる本がたくさん出版されています。
日常生活の中で「いいよ(同意)」は自分で決めていいことであり,「嫌なことは嫌だ!」と発しなければならないこと。また誰かに何かする時は,意志を確認することの大切さをきちんと教えてくれる本ばかりです。
絵本でも読み物でも出版されているので,手渡す子どもの年齢に合ったものを探してみてください。

『はじめにきいてね、こちょこちょモンキー 同意と境界、はじめの1歩』 ジュリエット・クレア・ベル / 作  アビゲイル・トンプキンズ / 絵  上田勢子・堀切リエ / 訳

『子どもを守る言葉「同意」って何?YES、NOは自分が決める!』 レイチェル・アライアン / 作  中井はるの / 訳

春になり、新しい生活の中で自分の気持ちに素直にたくさんの友達を作ってほしいです。

 

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
3月18日は、絵本でSDGs推進協会代表の朝日仁美さんです。お楽しみに!

この記事のWRITER

朝日仁美(糸魚川市在住 絵本でSDGs推進協会代表/学校司書)

朝日仁美(糸魚川市在住 絵本でSDGs推進協会代表/学校司書)

神奈川県横浜市出身。結婚を機に糸魚川市での生活をスタート。子育てとともに、公民館事業の支援を受け絵本の読み聞かせの会を発足し、以後16年間 毎月乳幼児親子に絵本にふれる場を提供し続けた。 現在は糸魚川市初の学校司書であり、絵本で世界と繋がりたいと、絵本でSDGs推進協会を設立し活動中。 一男一女の母。 糸魚川市学校図書館司書 絵本でSDGs推進協会 代表理事 SDGs for School 認定エデュケーター 日経BP社 エコマムアンバサダー 絵本専門士/JPIC読書アドバイザー
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