SDGs de はぐくむコラム

3月8日は・・・

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みなさん 突然ですが3月8日は何の日だかご存知ですか?

8日は「国際女性の日」なんです。国際連合広報センターのHPによると この日は、「国や民族、言語、文化、経済、政治の壁に関係なく、女性が達成してきた成果を認識する日」だそうです。

始まりは北米とヨーロッパ全域で20世紀初頭に現れた労働運動、ということです。

このことを受けて この日に 全世界の多くの国々で記念行事が行われているのです。

そこで今回は 女性が活躍する絵本を紹介したいと思います。

 『炎をきりさく風になって ボストンマラソンをはじめて走った女性ランナー』

フランシス・ポレッティ クリスティーナ・イー 作
スザンナ・チャップマン 絵 渋谷弘子 訳
汐文社

 

今では信じられないかもしれませんが、約60年前まで国際的に有名なマラソン大会は男性だけが出場できて 速さを争っていました。女性が出られない理由は「42.195km もの距離を走るのは女性には無理」ということ。身体的に女性には不可能と考えられていたそうです。

この絵本の主人公ボビーは子供の頃から走るのが大好きでした。野山を駆け巡り、友達と遊ぶより走ることを楽しみにしていた少女でした。

大人になり父親と観戦したボストンマラソンに「自分も走らなくては」と思い始め、両親の反対にも負けず独学でトレーニングを重ねていきます。

しかし当時は男性しか出場できなかった大会は勿論出場を認めませんでした。

そこで彼女は変装までして 男性ランナーに紛れて走り出すのでした。

最後のゴールの場面は読み手にまで風を感じさせてくれます。

彼女の強い意志とどんな逆境にも立ち向かった行動力は、私たちに突き進んだ先に見えるものを教えてくれます。

『化石のよぶ声がきこえる 天才恐竜ハンター ウェンディ・スロボーダ』

へレイン・ベッカー 作 木村由莉 訳・監修
くもん出版

 

主人公 ウェンディは誰も気が付かない素敵なものを見つける天才でした。

面白い形の石だったり 色鮮やかな鳥の羽だったり!そんな少女は遠足に行った時、サンゴの化石を見つけ 先生から「きみはいい目をしているね!」と褒められます。

そこから彼女の探究心に火がつき 太古の歴史を紐解くような素敵なものを探し始めます。

17歳の時に見つけた奇妙なものを先生に見せると それは大変珍しい恐竜のたまごだったのです。

その後 化石に関する知識を学び 修復する技術を得て恐竜研究で世界的に有名な博物館で働き、世界中を飛び回り化石を探していくのでした。

その後はたくさんの人と一緒に発掘した化石が大発見となり、「ウェンディケラトプス」と名前がつくことになるのでした。

好きなことを見つけ、突き進んでいった結果 周りの人たちの協力と信頼を得ることができたのだと思いました。

自分らしさも忘れない彼女。この大発見で足を止めることなく、次なる発見を求めて進んでいく姿で物語は終わります。

このさらに前へと進む姿も彼女の素晴らしいところだと思います。

『すてきで偉大な女性たちが世界を「あっ!」と言わせた』

ケイト・パンクハースト 作 増子久美 訳
化学同人

 

最後に紹介する本は世界中の「とびきりすてきな夢」を追いかけた女性を13例 紹介した本です。その中に日本人登山家 田部井淳子さんの紹介が載っています。

彼女は世界一高い山 エベレストの頂上に立った世界で初めての女性なのです。

福島県生まれの田部井さんは子供の頃に山の魅力を知り、趣味だった山登りを少しずつ危険な山にも挑戦し続け、登山家となるのでした。

彼女の凄いところは、自分だけでなく女性登山グループを作ったことだとも思います。

このグループは世界有数の高山を登り、世界で初 女性だけの登山隊としてエベレストに挑戦したのでした。

今から50年前、1975年に達成したこの成功は日本人女性が行った快挙だったのです。

当時世界でも大変話題になったようです。この時「女性は、主婦にも、母親にも、登山家にもなれる」と全人類が気づいた瞬間だったのです。

この本では女性火山学者や世界的に有名なボードゲームに多大な影響を与えたゲームの発案者など世界中の偉大な女性を紹介しています。

またこの本は4部作の一冊なので、他3冊も手に取って凄い女性を知って欲しいです。

 

今回紹介した女性たちに共通することは「自分を信じ、好きな道を貫いた」と言うことのように思えました。

学ぶことに貪欲で、誰しも「無理!」と言わず努力を重ねてきた結果だと思います。

彼女たちの偉業を達成した時代は「女性だからできない」と勝手に決めつかられていた時代。

今はそんなことありません。どうか自分の好きを見つけて、どんどん前へ進んでいって欲しいです。

自分の周りからどんどん世界へ進出していってほしいです。

 

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。3月8日は、絵本でSDGs推進協会代表の朝日仁美さんです。お楽しみに!

http://立石勇生 SUNNY SIDE | BSNラジオ | 2025/03/08/土 10:00-11:00 https://radiko.jp/share/?sid=BSN&t=20250308100000

この記事のWRITER

朝日仁美(糸魚川市在住 絵本でSDGs推進協会代表/学校司書)

朝日仁美(糸魚川市在住 絵本でSDGs推進協会代表/学校司書)

神奈川県横浜市出身。結婚を機に糸魚川市での生活をスタート。子育てとともに、公民館事業の支援を受け絵本の読み聞かせの会を発足し、以後16年間 毎月乳幼児親子に絵本にふれる場を提供し続けた。 現在は糸魚川市初の学校司書であり、絵本で世界と繋がりたいと、絵本でSDGs推進協会を設立し活動中。 一男一女の母。 糸魚川市学校図書館司書 絵本でSDGs推進協会 代表理事 SDGs for School 認定エデュケーター 日経BP社 エコマムアンバサダー 絵本専門士/JPIC読書アドバイザー
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