6月というのは日が長くなってきている時期だが、それでも午後7時をすぎ、7時半近くには、人間の目では暗がりで動くものを見るのはつらくなってくる。
トラフズクの子どもたち(幼鳥)が活発になるのは、ちょうどそんな頃のこと。
こわいカラスたちもようやくねぐらに入りしずかになってきた。
盛んに樹木の枝を揺らして動いたあと、地上に降りた。
そしてからだを動かしたり首をぐるぐる回したりとまるで人間の体操のような動きをしている。
さらに足を宙に浮かせてなにかをつかむようなしぐさも・・・
これ実は遊びのようにも見えるがエサであるネズミなど地上を動くものを獲る練習になっているのだ。
親は近くでみているが直接エサをとるところを子どもに見せていない。
この幼鳥の動きは教わって覚えた動きではなくもう生まれついてそのように仕向けられている動きなのだ。
そして羽毛に隠れて見えないが目の脇にある耳も鋭く、ちょっとした音も聞き逃さないのだ。自分たちは音がしないように動き、獲物の音には敏感。
トラフズクたちのしたたかな戦略だ。
とっぷりと日が暮れると子どもたちの練習はさらに活発になってくる。
人間はそろそろ退散しよう。
2013.11.20
Vol.78 トラフズク④ 暗い林の中で・・・
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