残雪の残る山のせせらぎ。雪解けのこの時期、水量は1年で一番多い。
その水面にポコッ、ポコッと頭が出たり、引っ込んだりしている。カワガラスだ。
カラスというがカラスの仲間ではない。
一年中川で生息し、水生昆虫を食べて生きている。
このときのカワガラスは虫を加えて、さらにもぐり何度もエサをさがしている・・・
見回すと岸に同じような大きさのカワガラスが全身をゆらしながら待っている様子。
これは巣からでたカワガラスの幼鳥だったのだ。
そしてエサを探している方は親なのだ。
幼鳥は親と同じぐらいの大きさになってはいるがまだエサを取ることができない。
親にエサをせがむように体を上下にゆらし、親はせかされるように何度もエサを探していた・・・
さてせせらぎの上には別の生き物がいた。
東南アジアからやってきたオオルリのオスだ。
寒い冬は暖かいところにいて、春日本に渡ってくる夏鳥だ。
それにしても何か様子がせわしない。
他のオオルリの鳴き声が聞こえてきて、このオオルリは、それに対抗するように声を張り上げているのだ。
これはオオルリの縄張り争いだ。
少し鳴いては、移動し、その場所で鳴き、さらに飛んで、オオルリは自分の縄張りにしようというエリアを回っていた。
縄張りを確保できないとメスを得ることは出来ないし、繁殖することが出来ないのだ。
すでに子育て後半戦のカワガラス、これから始めるオオルリ、それぞれが季節を精一杯生きている。