山地の渓谷、渓流に生息する鳥「ヤマセミ」。
カワセミやアカショウビンの仲間で大きさはハトぐらい。
白と黒の模様で大きなくちばしを持つ。
なかなかその姿をとらえることが難しい貴重な鳥だ。
そんなヤマセミに春の山奥で出会った。
オスは胸にわずかにうすい褐色の斑点があり、メスはそれがなく翼の内側にうすい褐色の羽毛がある。
水辺に低く張り出した枝にお目がとまっていた。
そして身構えたかと思うと水中にジャボンと飛び込み、すぐさまもとの枝に戻ってきた。
そしてくちばしで体をぬぐうようなしぐさ。それを何度も何度も繰り返す。
実はこの時期、巣穴を掘っていたのだ。
ヤマセミは崖のようになって側面がむき出しの土が露出しているような場所に横穴を掘っていく。
くちばしで進むが、その際体に土がつくのだ。
だからその土を取るために水に飛び込んでいるというわけだ。
エサは魚なので魚を取るためにも水中に飛び込む。
ヤマセミは水に飛び込むことに特化した鳥なのだ。
さて周辺の枝に今度はオスをみつけた。オスは魚をくちばしに加えている。
そして・・・近くにメスが寄ってきた!オスはその魚を・・・なんとプレゼントしたのだ!
実はこれ「求愛給餌」と呼ばれるもので、オスはこうしてメスとの絆を深め、繁殖へと進めていくのだ。
貴重な瞬間を撮影することが出来た。
2014.01.22
Vol.81 渓谷のきらめき ヤマセミ
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