いきものがたり

Vol.84 野に生きるトキ

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佐渡の山並みをバックにトキの群れがとんでいる。
そして田んぼに降り立った。
トキは全長76,5cmほど、朱鷺色と表現される淡いピンク色が美しい鳥だ。
くちばしは17㎝、わずかにカーブし、頭の後ろには冠羽とよばれる飾り羽がある。
そしてなんといっても最大の特徴は環境省の野生生物の区分では「野生絶滅」のカテゴリーに入っていること。
現在育っているのは中国からのペアから生まれているものの子孫だ。
2008年に放鳥がはじまり、現在野にいるのは、この放鳥で出された個体とそこから自然繁殖した個体なのだ。

さてトキの生活をのぞいてみよう。
まずどんなものをどんな様子で食べているか…
トキとダイサギが水辺で食べ物を探している。
どちらもドジョウ、ザリガニ、水生昆虫、フナなど同じようなものを食べている。
しかしその食べる手法はまったく異なる。
ダイサギは、目でエサを探し、これと思うターゲットを見つけると一気にくちばしを突き出して獲物をとる。
一方トキは、このあたりに獲物がいるのでは・・・というところではくちばしをしつこく突っついてその感触でエサを捕まえているようだ。
ドジョウはくちばしにからみつく・・・すると一瞬くちばしを広げる・・・するとドジョウがくちばしから離れる・・・その瞬間飲み込むのだ。
ドジョウの性格をわかった手法だ。このように他の生き物と同じようなエサを食べながら、トキは自分の手法をうまく使って自然の中に歩みを進めている。

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