開けた草原や畑地などで、春の日が燦燦と降り注ぐような季節になると盛んに鳴く鳥がいる。ご存知ヒバリ。
新潟市郊外の草地であっちでもこっちでも鳴いているところにであうと春真っ盛りという効果音のようにも思えてくる。その姿はユニークで頭に冠羽というモヒカンのように持ち上げられる羽があって、個性的なスタイルの持ち主だ。
昔から日本人はヒバリのことを季節と共に感じていて俳句の季語に「揚げ雲雀」という言葉があるぐらいだ。でも本当のヒバリは、空中だけでなく地上でも鳴いている。草の実をエサにするので食べたり鳴いたり忙しい。
ではなぜ飛びながら鳴くのかというと、この鳥の守備範囲は開けた場所なので、木や建物など止まっている場所はもともと無い。そこで飛びながら鳴くという手法を発達させたというわけ。飛んでいる姿を見ると、翼の幅が他の鳥に比べて広く、その分揚力があり飛び続けることが得意なのだ。
この時期、オスはなわばりを主張するためと、メスへのアピールのため鳴いているが、さらにメスに対してはやらなければならないことがある。尾羽を立ててメスに見せ付けるディスプレイだ。さらにはエサも食べ本当に忙しそう。その代わりメスのほうはやがて目だたぬように草むらの中にひっそりするようになる。巣は目立たないのが一番だから。春の象徴ヒバリ、他の季節はすっかり存在感を消してすごしている。