いきものがたり

Vol.19 シギチドリ秋の渡り

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夏の喧騒が消え、少しさびしくなった砂浜。新潟市郊外の海岸で小さな鳥たちの群れをみつけた。

トウネン、ミユビシギ、キアシシギと種類の違うシギチドリの仲間3種類が、一つの群れになって砂浜を忙しそうに動き回っている。くちばしの形や長さ、足の形や長さが、それぞれ違っていて、食べるエサの種類も微妙に違っている。
さらにあっちこっちとジグザクに動いていてちっとも落ち着きがない。これ実は本物の「千鳥足」で、巷のお父さんが酔っ払ってあるいているのとは違い、しらふで真剣に歩く「千鳥足」なのだ。砂浜の上を激しく忙しく歩き回ることで、砂の下にいた虫や魚を驚かせ出てくることを期待しているのだ。それも群れで動くことが効果的らしい。
鳥たちは次々にエサを見つけて食べていた。長い海岸線を持つ新潟県だが、ちょうどうまい具合にエサの獲れる場所は実はそう多くないようだ。潮の加減、地形などほんの少しの違いでエサの取れる場所は限られている。それをシギたちは知っているのだ。 彼らはこのように海岸線に沿ってエサを獲りながら南下していく。彼らの姿がこの場所で見られるもの渡りのごくわずかな期間だけ。小さな鳥たちの旅の季節はあっという間に過ぎてゆく。

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