SDGs de はぐくむコラム

持続可能な社会にある仕事、ありたいあなたの肩書

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これまで私のコラムの連載では、子ども食堂に始まり、寄付、マイプロジェクト、地域共生、防災・減災、エコハウス、など様々なテーマを取り上げてきました。実は、これらはすべて、私が仕事で関わってきたことがあるものです。
さて、私の仕事の肩書は、コラムのプロフィールで「地域づくりコーディネーター」としています。
みなさんの周りに、このような肩書で仕事をしている人はいますか?今回は、私の肩書である「地域づくりコーディネーター」からこれからの社会の仕事を掘り下げてみたいと思います。

複業というあり方

私は普段、何屋さんなのだろうと思うほど、さまざまな仕事をしています。
・NPOや市民活動、まちづくりをしている人、組織の相談対応・助言
・町内会や自治会などの地縁組織の運営の支援、また、地縁組織を支援する制度を作る行政の支援
・地域の課題解決のための市民ファンド・コミュニティ財団をつくるお手伝い
・新潟県内でエコハウスを広めるためのチーム作りや啓発活動
・子ども食堂を支える仕組み・機能を作るお手伝い
・学校や市民、企業、行政などにSDGsの講義
など、とても幅は広いです。また、いくつかの大学で非常勤講師として授業を持たせてもらっていますし、調査・研究活動なども行っています。そもそも、経営または所属している組織も複数あります。最近だと「複業」という言葉で語られるケースもありますが、どこか一つの会社に所属しているわけではないです。
私の仕事で共通しているのは、私たちの暮らしである「地域」をより良くしようとしている人、組織をお手伝いするということです。

大学時代から、環境活動やまちづくりに関わっていたことで、自然と「地域」を良くしていくことに私は関心を持っていました。それを表す言葉として、「地域づくりコーディネーター」としています。私の知り合いには「社会編集者」「コミュニティデザイナー」などの肩書で表している人もいます。

コーディネートってなんだろう?

コーディネートとは、「ものごとを調整する」という意味です。いろいろな要素を整理して、統合したり、うまく進むように調整したりします。

「地域」という目線で見ると、例えば、以下のような状況が生まれています。
・コミュニティの衰退によって、自助・共助・互助が機能しない
・自分の力を社会に活かしたいけど、参加する方法がわからない
・誰かからの助けが必要だけど、繋がる先、繋がり方がわからない
・官民、組織の垣根を超えたいけれど、うまく合意形成ができない
・社会課題が複雑化して、自分たちだけで解決できない

こうした、様々な課題や困りごとと呼ばれるものに対して、困っている人と助けられる人をつなぐようなこと、またお互いの目標や利益が相反しないように調整して物事が進むようにするなど、そういった役割がいま社会で求められています。

例えば、子育てに関する情報を父親や祖父母にどう届けるかを、自分たちの課題として捉えながら形にする取り組みとして、阿賀野市で父子手帳や孫育て手帳をつくる試みを何年か前にお手伝いしました。また、中山間地域の集落の住民全員にアンケートをとって、そこから見えてきた課題をみんなで話し合って、課題解決に踏み出すお手伝いもしています。

これらはほんの一例ですが、地域にある様々な課題を解決するために、第三者として、時に当事者としてコーディネートしていくのが私の仕事です。このようなコーディネートする仕事が生まれてきたのもつい最近のことです。特定のテーマに限定すると、学校と地域を結ぶ「地域コーディネーター」、高齢者の生活支援を支える「生活支援コーディネーター」などもあります。

これまでにない仕事、肩書が生まれる社会

時代が進むと、技術、制度などさまざまな要因によって新しい仕事が生まれてきます。いまでは当たり前となった、インフルエンサーやYOUTUBERという仕事も、インターネットが個人にも広く普及したこの20年以内の話です。学校の先生でさえ、いまの近代教育制度で捉えると、明治時代からなので、約150年前です。今ある仕事は、思っている以上に新しいものが多いのです。

2030年はSDGsの達成年、「いま」からたった7年です。さらに、2050年にはカーボンニュートラルを目指そうとしています。

未来を見据えていくと、いまわたしたちが当たり前だと思っている仕事もなくなったり、変化したりして、いまからは想像がつかない仕事がきっと生まれているでしょう。

そうした時、仕事だけでなく、あなたはどのような肩書で生きていきたいか、「あなたはどうありたいか」という問いかけも大切だと思います。

私はこうありたいとか、社会や地域がこうなるといいな、という思いからも仕事が生まれてきます。「地域づくりコーディネーター」も、まさに、そうした思いから生まれてきた肩書であり、仕事を生み出しています。

ぜひ、これから起こりうる変化に対して、ポジティブに自分が関わっていく未来を考えてみませんか?

   

* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。
1月14日は、地域づくりコーディネーターの石本貴之さんです。お楽しみに!

 

この記事のWRITER

石本貴之(三条市在住 地域づくりコーディネーター)

石本貴之(三条市在住 地域づくりコーディネーター)

1983年、大阪府生まれ。滋賀県立大学大学院環境科学研究科を卒業後、民間調査会社、環境省の情報拠点「地球環境パートナーシッププラザ」を経て、縁あって三条市に移住。新潟県内を中心に市民活動やソーシャルビジネス、SDGsを軸とした持続可能な地域づくりをサポート。一男二女のパパ。 現在:特定非営利活動法人まぢラボ 代表理事、一般社団法人全国コミュニティ財団協会 事務局長、カードゲーム「2030 SDGs」&「SDGs de 地方創生」公認ファシリテーター、総務省「地域力創造アドバイザー」など。
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