今回はコハクチョウの日中の生活を見てみよう。
稲刈りの後には自然に生える二番穂という穂が出てくるが、晩秋、日本にやってきたばかりのころにはこうしたものを食べる。そしてこ れも無くなったあとには、草の根元の柔らかい部分を土から掘り出すようにして食べるので、くちばしは泥だらけだ。ハクチョウのくちばしの中はブラシのよう な構造になっており、稲の穂のようなものをこそげて必要なところだけ食べることも出来るし、泥の中の草の芯だけ食べることもできるのだ。親に習って幼鳥た ちも一生懸命食べている。
また、集団の中で大きな声を出し、他の鳥にぶつかって鳴きあう光景を見ることがある。これは、家族同士の小競り合いだ。でもケンカはそれほど長引くことはなく収まるのが、ハクチョウだ。お腹がいっぱいになると眠る姿も見せる。片足でも眠ることができるバランスの良さ。
エサもあって集団でハクチョウが冬をすごせる環境が、新潟にはあるということ。 秋に日本にきたばかりの頃は、濃いグレー1色だった幼鳥も、日本にいる間に次第に羽毛に白い部分が増えてきて、春先にはほとんど白い幼鳥もいるほど。春先、シベリアに帰るころには子どものハクチョウも一回り大きくなっていることだろう。